第二章
[8]前話
「だからですよ」
「いい旅館ですか」
「我がグループは世界のいいホテルや旅館をチェックしていまして」
「そうなのですか」
「ネットの口コミや地元の評判を確認して」
そうしてというのだ。
「それでこれはというホテルや旅館をです」
「傘下に収めていますか」
「中には倒産しそうなところもあるので」
「うちはそこまではいかないですが」
「ですが倒産するには惜しい」
そうしたホテルや旅館があるというのだ。
「やり方を変えれば黒字になる」
「そう思われてですか」
「はい」
まさにというのだ。
「そうしたホテルや旅館はです」
「世界中のですね」
「傘下にしています」
「うちみたいにですか」
「いいホテルや旅館が倒産してはです」
そうなってはというのだ。
「それは非常に残念なことですし失業する人も出ます」
「そうならない為ですか」
「そして利益を上げられるなら」
ホテルや旅館の経営が黒字になってというのだ。
「これ以上いいものはないですね」
「はい、確かに」
住友もそれはと頷いた。
「その通りです」
「そうですので」
「うちみたいな旅館もですか」
「こちらは倒産とまでいきませんでしたが」
それでもというのだ。
「いい旅館と思いましたので」
「こんな場松でも」
「いえ、いいホテルや旅館は評判が出ます」
いいものがというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「お話させて頂いて」
「傘下にですか」
「させてもらいました」
「そうでしたか」
「独自で経営されるならよしということで」
申し出を断られたならというのだ。
「思っていましたがこちらに入ってもらって」
「それで、ですか」
「よかったです。ではこれからも」
「はい、宜しくお願いします」
「お互いに」
二人で笑顔で言葉を交えさせた、そしてだった。
住友は一家で旅館を経営していった、見れば温泉街自体が八条グループの系列の旅館やホテルそれに店ばかりになっていた。近くのスキー場もだった。
だが世界的なグループの資金と経営のノウハウそれに定期的に来るグループの者達によって温泉街自体が潤い。
ゆかなは祖父にだ、こう言った。
「寄らば大樹の陰っていうけれど」
「それはそれで悪くないな」
「やっぱり一人だとね」
「出来ることは限りがあってな」
「いい大樹だとね」
「寄るべきだな」
「ええ、そうよね」
「本当にな」
こうした話をしてだった、一家で旅館を経営していった。それは決して悪いものではなく一家は傘下に入る前より楽になっていた。
古い旅館を傘下に収める理由 完
2024・2・16
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