第18話:月鍔ギンコ対デルベンブロ(中編)
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月鍔ギンコperspective
この者……でるべんぶろと言ったか……
何かおかしい!
某は既にこの者を何度も斬った筈だが……何故か手応えが無い!?
この者……何かからくりが有るのか!?
言われてみれば、この者が自ら斬り落とした両手が宙を自在に舞っている。
と言う事は、この甲冑も誰かがどこかで―――
「フィストブロー!」
……そう簡単に真の黒幕を探させる暇は与えぬか!?
この巨大な手と甲冑を何かのからくりで操る者は、異様に賢く戦い慣れしておる……
こんな事なら……この惨劇を急ぎ終わらせる為に敵大将を早々と討つなどと言わず、ノノ殿の言う通りに全ての鬼を斬ってからこの者と戦うべきだったか!?
……いかん!こういう時こそ邪念を捨てねば!
この町が救われるか否かは、この町のどこかにいる黒幕を討伐出来るか否かで決まる!
余計な考えは捨てて、敵の気配に集中するのだ!
セツナperspective
ツキツバを倒すのに適したスキルは何だと考えながらツキツバの許に向かう道中、何者かに吹き飛ばされた魔族に遭遇する。
と言うか……下手人は大体想像がつく。
「フラウ、そんな雑魚を構ってる場合じゃないぞ」
だが、フラウは目の前の魔族を叩きのめすので……いや、レベルアップに夢中だ。
ノノの経験値倍加・全体【Lv50】は非常に便利な反面、今のフラウの様な本来の目的を忘れる馬鹿が増えるのも困りものだ。
「……フラウ!偉大なる種族様が大ピンチだぞ!」
完全に戦闘に没頭しているフラウがハッとして私の方を見た。
「え!?それマジで言ってるの!?」
……こいつ……ツキツバよりヤバいかも知れんぞ……
で、フラウを連れてツキツバの許へ向かうのだが、
「ところで、ツキツバ様がどうピンチなのよ?」
「……解らん」
無論、そんな答えでフラウが納得する筈がない。
「解らないって、そんなフワフワな理由で私を呼んだ訳!?」
「ま、虫の知らせって奴だな。こればかりは場数を……」
フラウは大したピンチじゃないと判断したのか、横から私達を攻撃しようとした魔族と戦闘していた。
「あの鈍感猪!」
もうフラウをとっ捕まえようかと思いフラウの方を向くが、フラウの戦い方を視て今の私達に足りない物が視えた気がした。
「……そうか……物理攻撃だ……デルベンブロめ!企みが読めたわ!」
戦闘に夢中のフラウを乱暴に掴むと、大急ぎでツキツバの許へ急いだ!
「何よもう!何でそんなに焦ってるのよ!?」
本当なら立ち止まって長々と説明する暇も無いのだが、恐らく、ちゃんと説明しないとフラウは納得しないだろう……
「アイツには……ツキツバの攻撃が全く通用しない!」
その途端、フラウは呆れた顔をしながら私を見下す様に見た。
「何言ってるの?私達の里を滅ぼそうと
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