第10話
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〜車内〜
「わああっ……!やっぱり速いですね……!」
「ふふっ、それなのにあんまり揺れていませんし……ヴァンさんが自慢するのもわかる気がします。」
「へっ、そうだろそうだろ。あと10分くらいで首都高を抜けて北の国道へ出る。そしたらコイツの速さと安定性をもう少し味わわせてやるよ。」
それぞれ乗り心地について感想を口にするフェリとアニエスの様子に気をよくしたヴァンは自慢げに語った。
「凄い……!もっとスピードが出るんですねっ?」
「あ、安全運転でお願いします……」
更に速くなることにフェリが無邪気に喜んでいる中、アニエスは冷や汗をかいて指摘した。
その後車は首都高を抜け、国道を走り始めた。
「――――しかし、お前まで来るのは正直想定外だったんだが。いくら三連休だからって新学期も始まってるんだろうが?」
国道に入るとヴァンはふとアニエスにある指摘をした。
「で、でも私だけ仲間外れなんて寂しいですし……それにゲネシスの件がある以上、何かお役に立てるかもしれません。昨日の夜、外泊許可も申請できましたしどうかご安心くださいっ!」
「って、手回し良すぎだろ!?……ったく、名門校のクセに相変わらず緩すぎるっつーか……」
「え………」
アニエスの手回しの良さに思わず突っ込んだヴァンは溜息を吐いた後呟き、ヴァンがアラミスの事についてよく知っている様子の口ぶりにアニエスは呆けた声を出した。
「えと、アニエスさんはカルバード両州でも有名な学校に通ってるそうですが……ヴァン様の事務所には”ばいと”で働いてるんですよね?」
「ふふっ、はい。お手伝いを始めたばかりですけど。」
「ま、完全に押しかけだがな。――――――ところでフェリーダ。そろそろ”様”ってのはやめてくれ。依頼料を払う以上、お前さんは客だ。こちらにへりくだる必要はねぇ。」
「ふえっ……で、でも。……それじゃあヴァンさんで。わたしもフェリでお願いしますっ。」
「はん……?ま、別にいいけどよ。」
「クスクス……―――――フェリちゃんは13歳でしたか。そうすると、七耀寺院の日曜学校に?」
フェリとヴァンのやり取りを微笑ましそうに見守っていたアニエスはフェリの年齢を思い出してフェリにある事を確認した。
「はい、今年から高学年に上がって授業も難しくなっちゃって……そういえばカルバード両州って”寺院”もわたしたちとは少し違うんですよね?」
「ええ、教会や礼拝堂ですね。女神像にお参りするのは同じですけど。あ、でも中東式の寺院もありますよ?」
「”空の女神”に”翼の女神”――――――大陸西部と中東部で呼び方は違うが七耀教会じゃ同一存在
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