第10話
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「”アークライド解決事務所”……?」
「ギルドとは別口の、いろんな相談やトラブルに対処する便利屋でな。今みたいな切った張ったなんかも”有料”で請け負っている。」
「え。」
「あの、ヴァンさん……」
ヴァンの説明を聞いた運転手が呆けた声を出すとある事を察したアニエスは複雑そうな表情でヴァンを見つめて声をかけた。
「緊急時だったから押し売りになるが助かっただろ?会社に連絡して少しばかりの”気持ち”を掛け合ってくれよ。」
「ええっ!?でも警察とかギルドだったらそんな事は――――――」
笑顔で遠回しな言い方で報酬を要求してきたヴァンに驚いた運転手は驚きの表情で反論をした。
「悪いがボランティアをやってるわけじゃねえからな。常識の範囲内でいい――――――今ならオマケに最寄りまで車で護衛していくからさ。……また襲われたくねえだろ?」
「ううっ……それを言われると。」
しかしヴァンの説得力のある交渉内容と指摘に運転手は頭を抱えて悩み始めた。
「……もう、ヴァンさんったら。」
「えと……でも当然と言えば当然かもです。安全も水もタダではないですし、持てる者は支払う義務があります。」
「なるほど……確かに。(中東部ならそれも当然、ですか。)」
(金銭とは何の関係もなかった天使である私はともかく、金銭で日々の生活をしている人間であるアニエス達にとっては一理ありますね。)
ヴァンの交渉のやり方に呆れているアニエスだったがフェリの指摘を聞くと納得し、メイヴィスレインもアニエス同様納得していた。
「わかった、とりあえずこの先のクレイユ村までは頼むよ!到着したら通信で会社に掛け合ってみるからさ!」
するとその時運転手がヴァンの提案に同意した。
「交渉成立だな。――――――そんじゃ車に戻るぞ。」
「はいっ……!」
「ううっ、了解しました……」
そしてヴァンの指示に二人はそれぞれ頷いた。
「ふう……どうなるかと思ったけど。ギルドとは別口の便利屋ねぇ。ちょっと面白そうかな……?」
一方ヴァン達の様子をバスの中から見ていたミント髪の青年は興味ありげな表情を浮かべていた。
その後ヴァン達は車でバスをクレイユ村まで先導した。
〜クレイユ村〜
「………………」
「素敵な村……ですね。中世の建物に小川、風車に遙かな丘陵のただずまい。途中の麦畑も綺麗でしたけど白い花の畑はひょっとして……?」
「蕎麦だな、このあたりじゃガレットなんかが有名だぜ。」
クレイユ村に到着後車から降りて村に入ったフェリは村の景色に見惚れ、アニエスは周囲の景色について言葉にした後白い花の畑に視線を向け、ヴァンがその続
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