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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第10話
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光を一撃に籠め、闇を貫く!」
「やって魅せて貰おうかぁーーーーー!」
バルゴートの杖に仕込まれた剣を抜き、渾身の力でそれを揮うアバン。その技は正しく、
「空裂斬!」
「消え去ー……え?」
アバンの空裂斬は見事にキギロが身に纏う邪気を完全に祓った。
(え!?あれ程の量の邪気を……一撃でぇ!?)
その隙にマトリフが氷系呪文(マヒャド)真空呪文(バギクロス)を同時に発動させる。
「物理で削りゃ良いんだろ?」
(2つの呪文を同時にぃ!?)
氷系呪文(マヒャド)真空呪文(バギクロス)の合わせ技にどうにか耐えるキギロ……だったが、
「当然……やる事は解ってるよな?用心棒!」
ロカがカール騎士団正統の構えでこのチャンスを待っていた。
(いつまでもレイラに甘えてられねぇ!俺の剣の速度だって、この里の修行でグッと上がってる筈なんだ……これが1人で出来る俺の精一杯の)
「豪破一刀だぁー!」
ダメ押しの斬撃まで食らい、ボロボロに砕け散るキギロ。
「そんな、馬鹿なぁーーーーー!?」
だが、ここへハドラーちゃんからキギロ回収の密命を帯びたガンガディアがすっ飛んで来た。
「何!?」
「君達はなかなかに恐ろしい連中だよ。ハドラー様が興味を持たれるのも納得だ」
ガンガディアはこのままアバン達を抹殺しようと考えたが、
「その結果がキギロのこの窮地だ。このままではキギロ回収に失敗しそうなので、今日はこれで失礼するよ。瞬間移動呪文(ルーラ)
キギロとガンガディアが去り、戦いは終わった。
そして、アバンはロカとマトリフに抱えられながら逢魔窟を出た。
「アバン!無事だったかい!」
「はい。なんとか。ロカとマトリフのお陰です」
と言って、アバンはハドラーちゃん率いるモンスター軍団に化けた瘴気の言った言葉を思い出す。
「数は力だ!数は孤独如きには絶対に届かん力の極致だ!」
(確かに……あの時ロカとマトリフが来てくれなかったら、私はキギロに敗れ朽ち果てていただろう。その点だけは、逢魔窟(おまえたち)の言う通りだった。でも、それは彼らが心を許せる友だからだ!)
やっぱりアバンは、独りじゃない。

破邪の洞窟地下192階にいたハドラーちゃんは、キギロの無念の悲鳴を聞いた気がした。
「ん?」
「どうしたのハドラーちゃん?」
「いや……キギロがまた敗けた気がしてな……俺はまた、間に合わなかったらしい」
フレイザード2号の材料となった女は百合萌えの女性の同性愛(レズビアン)。故に女性の表情の微妙な違いが判るのだ。
「その割には嬉しそうね?ハドラーちゃんはキギロに何か恨みでもあるの?」
フレイザード2号の質問に対し、ハドラーちゃんはある意味安堵の表情で答えた。
「強いて言えば、キギロの奴がアバン如きに敗け過ぎたくらいか……
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