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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第10話
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、キギロの勝利を疑う訳でもない。
だが、ハドラーちゃんのあの焦りからして、今のキギロではアバンには……
「ハドラー様は恐らく、今回のキギロの独断先行が勇者を育てる試練になるとお考えであろう」
ガンガディアにとって幸いだったのは、キギロが破邪呪文(マホカトール)を破壊してくれたお陰でギュータへの侵入が容易になった事だが、それがかえってギュータの残った者達の戦闘意欲に火が点いてしまったのがガンガディアのキギロ回収を遅らせてしまった。
「どうやら、アバン達は良き修業の場を得た様だな?それに、天地魔界の邪気が集結し噴き出している……破邪呪文(マホカトール)が無かろうと、キギロの回収は難しそうだな」
しかも、キギロが次々と分身体を生み出し続けるからか、ガンガディアですらどれがキギロの本体か解っていない体たらくであった。

アバンの逢魔窟探索……もとい、ハドラーちゃん率いるモンスター軍団に化けた瘴気との戦いも佳境に入った。
(当たる!……様になってる!敵を感知する力が高まっているのだ)
空裂斬の完成が近づきモンスター群に化けた瘴気を追い詰めているのか、最初の頃の鬱陶しい悪口も大分聞こえ難くなってきた。
アバンの精神が鍛え上げられてる証拠だ。
だが、
「アレは!?バルゴート様の杖!?」
それはつまり、人間が辿り着ける逢魔窟の深部に到着してしまった事を意味する。
(と言う事は!)
ハドラーちゃんに化けた瘴気が身に纏う邪気も当然強大になる。
(当然、そうなる理屈だ)
さっきまで聴こえ辛かった悪口が一気に大音量となる。
「孤独に堕ちた雑魚の分際でぇー!」
一瞬気圧されそうになったアバンであったが、
(闘気を!闘気を最も鋭く集中させる放ち方を見つけなくては!)
が、気合いを入れ直すアバンの前に、招かざる客が来てしまった。
「君は本当に面白くて……ムカツク奴だよ!」
「その声は……キギロ!」
「僕もね、今の君同様にガンガンに鍛え直して来たのさ。特に1番強く生まれ変わったのは『根』だ」
「ね?」
「僕の根は絶大な魔力を持った。地に刺しただけで大陸全ての植物を管理下に置けるほどの力さ。普通の植物を自分の分身体に出来るだけじゃない、大陸の全植物を悪魔の目玉の様に自分の端末にする事も出来る!」
アバンは、呆れながら言い放った。
「貴方は相変わらずバカですね」
「おい!そのやり取りはたしか!?」
「そうだ!キギロ、貴方は調子に乗り過ぎると自分の能力を敵に明かしてしまう悪癖がある。しかも、これが3度目だ……最も治すべき場所だけは修正出来ていない様だな!?」

一方、キギロが逢魔窟に侵入した事を察したマトリフがカノンを差し置いて逢魔窟に入ろうとするが……
「……お手柔らかに頼むぜ!神様よ!」
「馬鹿!何をする気だい!?お前み
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