第10話
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気が変異してるだけのものに、普通の剣技は通用しない様ですね」
そんなアバンの言葉に、ハドラー軍に化けた瘴気達が悪意満載の言葉を垂れる。
「ならば、呪文を使って我々を消し去れば良い。だが、数に劣る貴様では考えつかぬであろうな」
無論、アバンは瘴気達の罵詈雑言に耳を貸さない。
それに、実体化する程の瘴気に下手な呪文をぶつければどうなってしまうのか、全く予想が付かない。
「やはりここは……空裂斬しかありませんね」
だが、今のアバンにそれが出来るのか?そこが最大の問題だ。
「ま、やるしかありませんね。私はその為にここに来たんですから!」
その直後、アバンの剣に光の闘気が宿る。
それを見たハドラーちゃんに化けた瘴気が挑発する。
「1人で戦うのか?誰の到着を待たずに?それとも……」
ハドラーちゃんに化けた瘴気の微笑みに悪意と邪気が宿る。
「孤独ゆえに当てが無いか?」
アバンは完全に無視。
心を研ぎ澄ます事に集中する。
すると、モンスター群に化けた瘴気が焦れたのか、統制が乱れ始める。
「そこか!?」
アバンが2匹のキメラを斬った。だが、その内の1匹は滅びずに瞬時に完治してしまった。
「浅い!空裂斬はまだ未完成か!?」
キメラの化けた瘴気がアバンに斬られて消滅したのを確認したハドラーちゃんに化けた瘴気が「くくく」と嗤った。
「なかなかやるな?だが、それでは長期戦は無理だ。先に疲れるのは、孤独と言う枷を背負う貴様の方だ」
ギガントに化けた瘴気が飛び掛かり、アバンの両肩を掴んだ。だが、その顔は……
「どうだ!?これが、貴様を孤独にした男の顔かぁーーーーー!?」
この時のギガントの顔は、正にジニュアール1世そのものだった。
が、アバンの心を乱すどころか逆にシラケさせてしまった。
「流石にここまで言われ続けると飽きますね?」
対し、ハドラーちゃんに化けた瘴気の邪悪な微笑みはまったく崩れていなかった。
「強がるな。数が孤独に敗北する理由など……無いのだぞ?」
「それに……貴方達は何か勘違いしている」
「1人のお前のどこが孤独じゃないと言うのだ?」
「その前提そのものが間違っていると言うのだ!」
アバンは、普通の凡人じゃない。
そしてアバンは、独りじゃない。
そんなアバンの帰りを待つ仲間達は……ギュータが予想していなかった戦いをしていた。
結局、ハドラーちゃんはキギロの寿命を致命的に縮めた「キギロがギュータを襲撃」を止める事が出来なかったのだ。
だが、2周目のハドラーちゃんは、魔軍司令時代あの頃じゃない。
ハドラーちゃんの命令を受けたガンガディアがキギロの回収を諦めずに動いていたのだ。
「キギロ……そんなとこに居たのか?だが」
ガンガディアだってキギロの強さは知ってるし
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