第三部 1979年
孤独な戦い
匪賊狩り その2
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。
「分かったかね。木原君……
つまり作戦が成功すれば、この地のKGB支部は壊滅して、ソ連の影響は削げるという事だよ」
「話は分かった……
それで、二人の露助どもの容姿は……」
マサキは、なにせソ連嫌いで、大のロシア人嫌いでもある。
ラトロワの容姿も、一緒につかまっていた赤軍大尉の容姿も、気にして覚えていなかったのだ。
白銀の説明は、こうだった。
助けに行く女の名前は、フィカーツィア・ラトロワ。
人種はロシア人、目の色が薄い青色で、端正な目鼻立ちをしている。
雪のような白い肌に、明るいブロンド色の長い髪の毛をポニーテールに結っている。
ロシア人女性だが、かなりの高身長で、運動選手のような体格をしている。
グルジア人大尉に関しても説明を受けた。
黒の短髪に、オパールに近い碧眼。
190センチ越えの偉丈夫で、30歳前後だという。
「そのようなことまでは、どうでもいい。
それよりラトロワというのは、ユルゲンの妻・ベアトリクスより大女か。
俺は、そんな大女を負ぶってはこれぬ……
最悪、ひもで縛って引きづってでも連れて帰るしか、あるまいな」
マサキの不満を聞いて、白銀は、からからと笑った。
意識的にくだけた調子で、
「博士、大丈夫ですよ。
僕の見たてでは、彼女は60キロ無いですから」
あきらかに、マサキの面は憤懣の色におおわれた。
しかしと、白銀は、唇を舐めてそれに言い足し、
「バストは、USサイズ(インチ表記)で、32のHで、トップバストとアンダーバストの差が、26センチ。
バスト98.5、ウエスト70、ヒップ100と、かなりグラマーで、とにかく美い人。
……ですから、ベアトリクスさん同様に、一目見れば気に入るでしょう」
マサキは、眉をひそめた。
変なことをいう男かなと、いぶかったのであろう。
急に怒る色もなく、それ以上、強いる言葉も、諭す辞もなく、マサキは口をつぐんだ。
この男は、いつの間に、ソ連兵の体格を調べたのであろうか。
まさか体格指数でも計ったのであろうか……
マサキさえ、知らなかった、ベアトリクスのトップバストとアンダーバストの差。
それを、一目見ただけで、30センチメートルと、ぴたりと言い当てただけの男だ。
ベアトリクスへの贈り物に悩んでいた際などは、マサキの悩みへ即座にこたえて、
「32Iのサイズのブラジャーを送ればいい」
と、はばかる色もなく直言した。
本当かどうか、心配になって、夫のユルゲンに訊ねたことがある。
さしもの彼も、大層おどろいていたのは、記憶に新しい。
工作員特有の、観察眼なのだろう。
眼をみひらき、耳を立てて、マサキは始終を聞き入っていた。
だが白銀は、相手の顔
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