第三部 1979年
孤独な戦い
匪賊狩り その1
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」
「君に呼応する様に、政府軍がジャフナに近づいてきているとの情報が入った。
当法廷は、二つの罪状により銃殺刑に処すことにした。
一つは、残虐なるスリランカ政府に支援した事。
二つは、タミル人の人心を惑わしたことだ。
ゼオライマーが来るとな……」
と、答えた。
ソ連赤軍大尉は、ゆがめていた唇もとから一笑を放って、
「どうして日本野郎が来ないと言い切れるのだ!
空と陸から攻めるのが近代戦の定石。
戦闘教義も知らないとは、それでもあなたたちは軍人か」
ハーグ条約において、戦闘員の定義に合致していれば、義勇軍や民兵でも保護の対象になった。
第一章第二項の『遠方から識別可能な固著の徽章を着用していること』に記されているように、原色の階級章やワッペンでなくても、迷彩服を着ていれば、問題はなかった。
ソ連赤軍大尉は、解放の虎の首領に激色も露わにして詰った。
「貴方のような指導者を頂いた、タミル人は不幸であると思う。
貴方の名は歴史に残されるであろう!タミル人を壊滅に追いやった指導者として」
解放の虎の首領は、軍事法廷の壇上から、グルジア人大尉に視線を送る。
そのまなざしには、もし何かの謀略でもありはしまいかと、なお充分警戒しているふうが見えた。
「では、ゼオライマーのパイロット木原が、何のためにスリランカ北部を攻撃するのだ。
ただタミル人がいる地域を……」
「実験だ!新型の装備の実験だ!
そうだ、そうに違いない」
聞くと、解放の虎の首領は、大笑して、それに答えた。
「ハハハハハハハ!それは悪魔の所業だ。
木原は悪魔かね!」
「奴は、最低の悪魔野郎だ!」
「そんな事をしたら、全世界を敵に回すようなものではないか。フハハハハ!」
タミル・イーラム解放の虎の首領は、マサキの行ってきたことを知らな過ぎた。
彼はソ連への復讐のためにハバロフスクを焼き、PLFPごとレバノンを灰にしたのだ。
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