第二部 1978年
ソ連編
修羅の道 全世界を恫喝するソ連の核戦力
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に関連する、飛行理論分野のロケット先端研究学部が設立された。
その様な経緯もあって、同校の出身者の多くは、軍事技術と縁が深かった。
卒業者の多くは、最初期の核技術、ロケット技術者に道を進んだ。
それ故に、科学アカデミー総裁は、その名前を例示したのであった。
「一体、それはどういうことなのだね。
何故、米国は、驚くばかりの科学者を集め、膨大な費用を必要としているのだ」
「自動車のように操縦できぬのですよ。
この未知の新元素を、我らの発展のために使用できません」
「科学アカデミーの同志諸君らは、爆弾を作っているのではないのか。
この国家存亡の危機に際して、温水プールでも作るつもりなのかね」
科学アカデミー総裁は逆らうことなく、ただ党の為に、また同僚の為に、こう言い足した。
「同志議長、G元素は原水爆同様、平和利用されるべきです……」
「ええい、黙れ。出ていけ、このブルジョアの似非学者、屑野郎め」
「失礼いたします」
何しても、もってのほかな立腹なので、科学アカデミー総裁にも扱いようがなかった。
むなしく悶々の情を抱いて、彼は科学アカデミーへ立ち帰った。
一人残された参謀総長に、議長は不愉快な顔をした。
「参謀総長、どういうことなのかね。
なぜ、社会主義を嫌悪する木原が、これほどまでに東ドイツに肩入れするのかね」
「申し訳ありません。木原の真意は全く持って不可解です」
「日本野郎は、我らに理解できない思考をするようだな」
参謀総長は、気の毒そうに告げた。
「同志議長、私を解任してください」
「何」
「先のノボシビルスクの件も、ございますが……、
相手の心を読めぬ以上……、作戦の立案は、できません」
「参謀総長。まだESP発現体という、怪しげなものに頼ろうというのか。
祖国を、党を裏切るつもりなのかね」
参謀総長は、初めて、色にも言葉にも、感情をあらわした。
「いいえ、木原および日本野郎関連に関しては、私は不適任だと申しているのです」
「この期に及んで、君は日本野郎と和睦を結べというのかね」
「冷静に考えるなら、日本に詫び状を出すべきです。
我が赤軍は、BETAとの戦争に全力を注ぐべきです」
「再び黄色猿に敗れるくらいなら、BETAの餌になる方がマシだ」
議長は口にこそ出さないが、憤然、そう思わずにいられなかった。
これ以上の屈辱はしのび得るところでない。
彼の眉は、はっきりそういうものをただよわせながら、
「いや……何、さしつかえがあれば、またの機会といたそう。
戦争の先は長い。ひとまず
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