第七百三十八話 銀の薔薇その八
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「いいわね」
「そう思ってるのね」
「心からね」
まさにというのだ。
「思ってるわ」
「そうよね、不倫はよくなくても」
彰子も言ってきた。
「ああした人になれたら」
「いいわね」
レミはその彰子に応えた。
「凄く」
「そうよね」
「憧れるわね」
「大人の女性で」
「当然奇麗だし」
レミはこの要素も付け加えた
「そのことも考えたら」
「憧れるわね」
「どうしても」
「貴族というか連合とエウロパの境もね」
絶対、この時代の人類社会ではそう言っていいそれもとだ。レミは彰子と七海にしみじみとした口調で話した。
「越える位よね」
「そんなキャラクターなんて」
七海は強い声で話した。
「そうそうないわね」
「いるにはいるけれど」
彰子が応えた。
「流石にね」
「そうはいないわよね」
「そうよね」
「ロミオとジュリエットとかね」
「ロビンフッドとかね」
「エウロパだと光源氏とか人気らしいけれど」
「相当なキャラでないと無理よ」
レミはまた言った。
「本当にね」
「そう考えると元帥夫人はね」
「相当なキャラクターね」
「連合の人の私達にそう思わせるから」
「かなりね」
「ええ、そこまでのキャラクターを生みだした」
そうしたというのだ。
「リヒャルト=シュトラウスとホフマンスタールに拍手ね」
「あれよね」
七海はその二人の名前を聞いて言った。
「音楽はシュトラウスさんで」
「脚本はホフマンスタールさんよ」
「それぞれが担当してたのね」
「そのお二人が生み出した作品の一つが薔薇の騎士で」
「その作品に元帥夫人もいたのね」
「作品の中で元帥夫人ば銀の薔薇とは直接関係がないけれど」
持つことも渡されることもない、ただそれを渡し渡されることになる若い二人を見守り自分の恋を捨てるだけである。
「やっぱりね」
「薔薇の騎士っていうとね」
「元帥夫人だから」
このキャラになるからだというのだ。
「名付けられたのよ」
「そういうことね」
「そう、ただこの花は凄く珍しくて」
そうした花でというのだ。
「連合にはあって近々栽培もされて」
「増やされて」
「市販もされていくらしいけれど」
それでもというのだ。
「エウロパにはないらしいわ」
「元帥夫人はエウロパの人になるのに?」
彰子が不思議そうに尋ねた。
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