第一章
12.茨の道
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ったのだろう」
「実は、あれからいろいろとありまして……ええと、あっ! そちらも私にお話があったのですよね? ここで立ち話もなんですし、またお墓のところに来ませんか?」
「気が進まない。私は立ち話でかまわないし」
「そうおっしゃらず。ハーゴン様の遺骨、見つかったんですよ」
「あっそ。よかったね。だから何?」
「せっかくここまでいらしたのですから、ミグアさんにもハーゴン様のお墓をお参りしていただければと」
「どう考えてもわたしはしなくていいでしょ」
「まあまあ。せっかくですから、ぜひ! お茶出しますので!」
「あのさ。『いいえ』って答えても結果が変わらないなら、そもそも質問する意味あったの?」
意外と強引じゃの。まあそれもときには大切なこと――。
後ろで老アークデーモンが笑った。
がれきを整形して作られた長椅子に、フォルとミグアの二人は座っていた。
二人の後ろでは、老アークデーモン・ヒースが少し離れて見守る。
「相変わらず、おいしいね」
彼女の手には、湯気が立ちのぼる器。フォルの淹れたお茶である。
「ありがとうございます」
「いちいち立たなくていいから」
起立してペコリと頭を下げたフォルに対し、座るよう手を振る。
「ハーゴンの骨、どこにあったんだろう」
座っている場所の前には、ついさっき一通り見終わった墓地。
以前に祠の少女ミグアが見たときよりも墓石が二倍近くに増えている。
「はい。破壊神シドー様のご遺体に紛れていたようで」
「じゃあ、あの話は本当だったんだ」
「あの話?」
「ハーゴンは自分の体を生贄にして破壊神を呼び出したってさ」
「ご自身を、生贄、に?」
「ローレシアの王子から直接聞いた。追い詰められて、そうしたらしい」
「……」
「泣いてるの」
「すみません。大丈夫です。ついでに大神殿の跡地を見ていきませんか?」
「それはもっと気が進まない」
「お願いします。ぜひお見せしたいです」
「だから『いいえ』って答えても結論を変えないなら聞く意味ないから」
「あああっ!」
「うるさ。今度は何」
「ミグアさんも私にお話があったのですよね。忘れていてごめんなさい。ここでお聞きします」
「……もうどうせなので、神殿跡を見てからでいいよ」
少し高台になっているところから、大神殿跡地を眺める。
「新しい神殿を作ってるんだ」
「はい。ありがたいことにこちらのヒースさんは前の大神殿の建築工事に参加されていたそうなので、知恵をお借りしながら進めています」
「ワシも専門家ではないゆえ、一階建てのものになるがの……。じゃが以前の塔状の建物は、ロトの子孫たちのような少数精鋭の侵入者が来た場合に各個撃破されて危険じゃ
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