第二十三章
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「大ショッカーの首領でもある」
「そうだな。貴様がスサノオだな」
「私に会いたかったのだな」
ここで前を向いてきた。そうしてディケイドに見せた顔は。
白い髪の毛も髭もない。そして口も耳も鼻もない。何もないヒビまで入っている不気味な顔だ。その顔にあるのは目だけだった。巨大な一つ目だけがあった。
「私に」
「ショッカー首領の姿だな」
「この姿のことは知っているのだな」
「そうだ、知っている」
それをはっきりと答えてみせたディケイドだった。
「貴様がライダーの前に最初に見せた姿はそれだったな」
「他にも色々な姿を見せた。しかし君に見せるのに相応しい姿はそれだと思ってだ」
「あのバダンの時ではなくか」
「ふふふ、あの姿は本来の姿ではある」
スサノオは自分のそのことも話した。
「だが。ショッカーであり君の前に出るならばだ」
「その姿か」
「そう思ってだ。私の演出は気に入ってもらえたか」
「悪いとは思わない」
ディケイドはまた彼に返した。
「しかしだ」
「しかしか」
「貴様が何を考えているかだ」
ディケイドは自分から問うのだった。
「それを知りたい」
「それはもうわかっていることではないのか?」
スサノオの言葉は平然としていた。
「君もまた」
「わかっているというのか、俺は」
「そう、わかっている筈だ」
こう言うのである。
「私の考えはだ。考えていることを言ってみたらいい」
「そうだな。貴様は楽しんでいる」
ディケイドはスサノオを見据えながら言った。その言葉と共にスサノオのその巨大な単眼を見ている。単眼もまた彼を見ている。
「俺達ライダー、つまり人間の動きをだ。そうだな」
「そうだ」
そして彼もそれを認めてみせた。
「私は最初はこの世界を征服しようと考えていた」
「そうだな。最初はな」
「しかし君達を見ているうちに考えは変わった」
スサノオからも言ってきたのだった。
「君達がどれだけやるか見たくなったのだ」
「そして様々な方法で俺達の前に障害を置きそれをどの様にして乗り越えるのかを見たくなったのだな。そうだな」
「人間は取るに足らないと思っていた」
これもスサノオの考えだった。最初はだ。
「だが」
「だが、だな」
「そうだ。君達は私が思っていたよりも遥かに力を持っている。それを見せてもらったのだ。そしてそれが何処まで続くのかさらに見たくなった」
「そして今も俺達にか」
「そうだ、そうしていく」
「これからもだというのか」
「それはディケイド、君にもだ」
こう告げるのだった。
「君にもだ、見させてもらう」
「俺にそのつもりはなくともか」
「君が降りたいのなら降りればいい」
それは構わないのだという。
「私は去る者は追いはしない」
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