第9話
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その後フェリを連れたヴァンとアニエスは事務所で詳しい話を聞き始めた。
〜アークライド解決事務所〜
「”クルガ戦士団”……そういった方々がいるんですね。東のイシュガル山脈の南方―――大陸中東部の北側でしょうか?」
フェリの出身を聞いたアニエスは興味ありげな様子でフェリに確認した。
「はい、わたしたちクルガの民は”焔”と”翼の女神”を奉じています。山岳地にある里で暮らしていて、”戦士”として戦うのが習わしなんです。」
「ま、部族ぐるみでやっている、大陸中東部を代表する高位猟兵団だ。ただ誇りと伝統を重んじていて、汚れ仕事は受けないことでも知られる。――――――つってもこんな子供を戦わせてるってのはどうかとは思うが。」
フェリの説明を捕捉したヴァンは若干呆れた様子でフェリに視線を向けた。
「えへへ……そんな。わたしなんかまだまだ半人前で。早くお父さん(アブ)たちみたいな一人前の戦士になりたいんですけど。」
(ピュアかよ……)
「(あはは……でも凄く素直な子みたいですね。)それで、フェリちゃんはクルガとは別の猟兵団――――――”アイゼンシルト”の人達を捜しているんでしたか?」
ヴァンの皮肉に対して恥ずかしそうな様子で答えるフェリにヴァンが呆れている中アニエスは微笑ましそうにフェリを見つめて呟いた後フェリに自分達を訊ねた要件を確認した。
「そっちも大陸中部じゃ有名だな。北の自由都市圏を拠点とする、元軍人なんかが多い高位猟兵団だ。こっちも比較的マシな連中で、都市の治安維持を任されてもいる。」
「成程……色々あるんですね。」
ヴァンがフェリの要件が関係する猟兵団の説明をすると、アニエスは興味ありげな様子で相槌を打った。
「えと、その”アイゼンシルト”と戦士団が戦うことは度々あって……半月くらい前もとある代理戦争で交戦しました。その時の決着はついてお互い、故郷に戻ったんですけど……”アイゼンシルト”の中隊の一つが現時点でも、戻ってないそうなんです。」
「へえ……?別のヤマを受けてるわけじゃねえんだよな?」
「はい、先方の連隊長さんから里に直接問い合わせがあって……お父さん(アブ)――――――副頭目も心配して色々当たっているみたいなんですけど……」
「ハン……”アイゼンシルト”の中隊がねぇ。」
「えっと……すみません。”クルガ”と”アイゼンシルト”の方々は半月前、敵対関係にあったんですよね……?」
フェリとヴァンの話を聞いてある事が気になったアニエスがフェリに確認した。
「?はい、そうですけど……」
「あー、猟兵ってのはそんなモンだ。たとえ前日に殺し合いをしてても戦いが終わったら完全に切り替える。前の戦場じゃ敵
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