第9話
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
え、それでも広大な土地の州だ。クルガやアイゼンシルト以外にも入り込んでいる猟兵団は多い。もちろんシンジゲートにマフィア、他国のスパイなんかもな。」
決め手となる情報がない事に悩んでいるアニエスや北カルバード州の広大さに不安を感じているフェリにヴァンはそれらについての指摘をした。
「……多分、アイーダさんたちも身分を偽装して移動したと思います。だとしたら簡単に足取りは……」
「だ、大丈夫ですよ、ヴァンさんなら!色々と怪しげなコネもありますし、……ですよね?」
不安そうな表情を浮かべているフェリを元気づけたアニエスはヴァンに確認した。
「ったく、遠慮が無くなってきたな。まあ否定はしないけどよ――――――」
アニエスの遠慮の無さに溜息を吐いたヴァンはザイファを取り出してある人物の番号にかけて通信を始めた。
「――――――ヴァンか。そろそろかけてくると思ったぞ。」
「……?」
(この声って……)
ザイファから聞こえて来た青年の声にフェリが首を傾げている中、心当たりがあるアニエスは目を丸くした。するとヴァンのザイファの映像にキンケイドが映った。
「チッ、五分五分かと思ったが。――――――どうやらウチの依頼人についても掴んでるみたいだな?」
「ああ、”クルガ戦士団”ハサン副頭目の娘、フェリーダ・アルファイド。”アイゼンシルト”中隊の捜索依頼だな?」
「っ……!?」
「ど、どうして……」
キンケイドがフェリのヴァンへの依頼内容を知っている事にフェリは驚き、アニエスは困惑の表情を浮かべた。
「旧首都に来た時点で捕捉されたんだろう。あとはGIDのデータベースってな。しかし依頼まで具体的に把握してるってことは――――――アイゼンシルト中隊の消息不明。GID(オマエら)も噛んでやがるな?」
「……あ……」
「そ、そういう事ですか……」
ヴァンのキンケイドへの指摘を聞いたフェリは呆けた声を出し、アニエスは複雑そうな表情を浮かべた。
「ああ――――――10日程前の話だ。北カルバード州内を経由して、自由都市圏に帰還するアイゼンシルト中隊を捕捉した。知っての通り猟兵団の立入については両カルバード州では原則、禁じられてはいない。だが当然、GIDは全ての団の動向を捕捉・把握できるように努めている。そして稀に――――――特に有能な部隊には特務部隊の訓練相手を務めてもらっていてな。」
「!?それって……!」
「と、特務部隊……?」
「GIDの特務部隊――――――”ハーキュリーズ”か。去年の”ヘイムダル決起”の件でエレボニア相手にヘマをやらかした挙句”中央”の連中にそのヘマに対する”尻拭い”までされた事でテコ入れされてるって話だが。」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ