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冥王来訪 補遺集
第二部 1978年
原作キャラクター編
岐路 ベアトリクスとアイリスディーナ 運命の分かれ道
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を立て、木原マサキを自分たちの陣営に引き込めたら……。
あのゼオライマーの秘密を知る、木原を手にすれば、米ソの思惑からも自由になるかもしれない。

 行けると踏み込んだハイムは、シュトラハヴィッツを奥の部屋に誘い込むことにした。
「込み入った話になる。ここでは、不味い。奥で話さないか」
「良かろう」
そう言って、奥の部屋に入るなり、ハイムは、
「偉大なる愛の力があれば、あのゼオライマーの秘密が手に入るかもしれない」
「まさか」
シュトラハヴィッツはタバコを咥え、じっと考え込んでいる。
もう一押しと考えた、ハイムは、
「私が聞く所によると、ゼオライマー操縦士の木原は独身だ。年頃の娘でも仕向ければ……」
話を聞くうちに興味をそそられたのだろう。シュトラハヴィッツの眼が爛々(らんらん)と輝きだした。
「美女を立てて、木原を(たら)し込んで、あのマシンを手に入れようと言うのか」
「もし、この(たくら)みが上手く行けば、我が国は労せずして史上最強の兵器が手に入れられる」
「そんな美女、どこに居るのかね」
「心当たりがある」
苦笑いを浮かべたシュトラハヴィッツは、ぐいとワインを流し込む。
「やるか」
「良し、作戦開始だ」
密約を祝して、二人は乾杯し、細かな打ち合わせに入った。

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