暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第191話:降り注ぐ悪意
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
人はワイズマンの前に立ち塞がった。その光景にワイズマンは首を傾げる。

「おいおい、言わなかったか? 私に構っている暇などないだろうに」
「ハッ! 誰がお前の言う事を真に受けるかってんだッ!」
「貴様の事だ。本当に颯人さんが助かりそうになったら、邪魔をするつもりだろうッ!」

 この中で旧2課組はワイズマンと直接戦闘の経験を持つ。その時の経験から言えば、ワイズマンが何もせず颯人が助かるのを見ているなど絶対にありえないと確信していた。何しろ味方すら平気で済手駒にする男なのだ。何もしないと見せかけて、ここぞと言うところで邪魔するのは目に見えている。

 立ち塞がるクリス達の姿に、ワイズマンは楽しそうに仮面の奥で笑みを浮かべた。

「フフッ、なるほど? 折角だから私にも参加しろと言うんだね? 良いだろう。だがどうせなら客は多い方が楽しい。と、言う訳で……」
〈サモン、ナーウ〉

 ワイズマンが右手をハンドオーサーに掲げると、周囲のあちこちに魔法陣が出現。そこからはメデューサを始めとした白や琥珀の仮面をしたメイジに加え、レギオンファントムまでが姿を現した。

「やっとか。お預けを喰らって、そろそろ我慢の限界が来るところだったぞ」
「すまんね、無理を言って。だがもう十分だ。ここからは好きに動くといい。ただしあの男はダメだ。アイツはファントムを生み出してくれなければならないからな」
「良いだろう。その代わり、サンジェルマン達は貰うからな?」
「どうぞご自由に」

 一斉に行動を開始するメイジとレギオンファントム。颯人を助けなければならないというのに敵が増えたこの状況に、奏達が危機感を抱く。

 だが次の瞬間、彼女らに襲い掛かろうとしていたメイジが次々と銃弾や光弾、鉄球により叩き落された。

「ぐあっ!?」
「がっ!?」

「何ッ?」

 メイジたちを攻撃したのは、ファウストローブを纏ったサンジェルマン達だった。3人は装者達と合流すると、周囲のメイジを威嚇する様に構えを取る。

「ごめんなさい、遅れたわ」
「メンゴメンゴ、ちょ〜っと準備に時間掛かっちゃってね?」
「その分しっかり働くワケダ。何、思いっきり魔法使いをぶちのめせるんだ。こっちとしても望むところなワケダ」
「……助かる」
「礼は良いわ。寧ろ感謝したいのはこっちの方。あの子には、目を覚まさせてくれた恩がある。だから、必ず助けて」
「当然だッ!」

 頼もしい援軍に、奏と輝彦は顔を見合わせて暴れる颯人を見た。

 周囲にはメイジやファントム、そしてワイズマン。それらを前に、未来に介抱されていた響も目を覚まし立ち上がる。

「ゴメン、未来。私も、行かなきゃ……!」
「響……」
「大丈夫。へいきへっちゃら! だから、待ってて」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ