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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第191話:降り注ぐ悪意
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居るのは、輝彦が纏う魔法使いの鎧を黒くした漆黒の魔法使い。ジェネシスの首魁であるワイズマンがそこに居た。

「ワイズマンッ!?」
「野郎、何をッ!」

 まさかここで彼が出てくるとは思っていなかったので、翼やクリスは最大限の警戒を彼に向けた。まさかあの男が、親切心で反応兵器を止める訳がない。今までだって事件を裏から引っ掻き回してきたのだ。今回だってきっと何か企んでいる筈。

「ワイズマンッ! あなた何をするつもりなのッ!」
「おいおい、お礼の言葉の一つも無しか? 折角ミサイルを止めてやったと言うのに」
「ケッ! 親切心なんて欠片も無いくせによく言うぜ」
「その反応兵器、どうするつもりだッ!」

 ミサイルは未だに空中で時が止まった様に留まっている。ワイズマンはそれを一瞥すると、眼下の装者達を見下ろしながら口を開いた。

「何、折角これから楽しいショーが始まると言うのに、こんな物を投げ込まれては台無しだと思ってね。僭越ながら、私が片付けてやろうと言うのだよ」
「……何をするつもりだ?」

 輝彦が問うが、ワイズマンは何も答えない。ただ意味深に喉の奥で笑うと、ミサイル共々そこから姿を消した。
 その笑みに嫌な予感を感じた輝彦は、ワイズマンが消えて場所に無意味と分かっていながら手を伸ばした。

「待てッ!?」




***




 日本上空から姿を消したワイズマンと反応兵器は、日本から遠く離れたある街の上空に姿を現していた。

 眼下には摩天楼と言う言葉が似あう、天を衝くほどの高いビルの数々。その下には多くの車や人々が行き交う光景が目に映る。
 そこは世界でも有数の大都市の一つである、アメリカのニューヨーク。市域人口は800万人を超え、都市圏人口に至っては2000万人以上であった。

 今世界で何が起きてるかも知らない人々が行き交う街を眼下に、ワイズマンは仮面の奥で笑みを浮かべるとその中心地に向け魔法陣を向け反応兵器を再び動かした。

「……フッ」

 その際に小さく笑みを浮かべたワイズマンは、ミサイルが動き出すと同時に再び姿を消す。

 次に彼が姿を現したのは、何も知らない輝彦達の前であった。突然姿を消したかと思ったら再び姿を現したワイズマンに、輝彦は最悪の事態を予想した。

「ワイズマン、答えろッ! お前、反応兵器を何処にやった?」
「フフッ、それは直ぐに分かるだろうよ」

 その言葉を待っていたかのように、全員の通信機にまさかの報告が届いた。

『し、司令ッ!? 今アメリカからの情報で、ニューヨーク・マンハッタンで反応兵器が起動し、同市が壊滅状態になったとッ!?』
『何だとぉッ!?』

 通信機からは朔也や弦十郎の驚愕の声が響くが、それは装者達も同様であ
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