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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第191話:降り注ぐ悪意
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ルだけはどうにかしようと行動に移そうとした。

「ガルド、済まんが後の事は任せてもいいか?」
「ウィズ、何を……?」
「あれを何とかする。だが戻ってこられる保証が無いからな。後の事を誰かに託さなければならんん。颯人達の事、頼まれてくれるか?」

 その言葉にガルドは察した。輝彦は死ぬ気なのだ。死んでも反応兵器を何とかして、無用な被害を出さないようにするつもりなのだ。
 その覚悟を見た瞬間、彼が咄嗟に口にしたのは拒絶の言葉だった。

「そんな頼みが聞けるかッ! お前に何かあったら、残されたハヤトはどうなるッ! アイツは折角、父親と再会できたんだぞッ! それなのに……」
「そうだッ! アンタには、颯人ともっとちゃんと話す義務があるッ!」
「しかし……」

 ガルドに続き奏も輝彦が自ら犠牲になると言う言葉に反論した。彼の考えは読めている。今まで身を隠して迷惑を掛けてきたツケを、自らの命を持って償おうと言うのだろう。どうせ今まで死んだという前提で過ごしてきたのだし、ここで本当に命を失っても構わないと思っているのだ。
 だが奏からすればそれは逃げでしかない。本当に償う意思があるのであれば、彼は死ではなく生きる事を選ぶべきなのだ。行きて颯人とちゃんと向き合い、心から話し合って初めて償いとなる。

「颯人はウィズの正体がおじさんだって気付いてもずっと我慢してきたッ! アンタが本当の事を話してくれる時が来るのを、希望を持ってずっと待ってたんだッ! そのアンタが、そんな簡単に生きる事を諦めるなッ!」

 奏の必死の説得が輝彦の心を打つ。彼女の言葉に彼の心も揺れ動き、彼女の顔と飛んでくるミサイルとを交互に見る。
 見上げれば徐々に大きくなってくるミサイルの輪郭。あれが着弾すれば、輝彦一人の犠牲など比較にならない犠牲が出る。颯人も犠牲になるかもしれない。そう思うと、やはり彼には自らを犠牲にする以外の選択肢が取れなかった。

「だが、あれを何とかしなくては……」
「何かある筈だッ! まだ全部終わった訳じゃない、何かがきっと――――」

 最悪の事態を回避する為の手段がないかと、奏は必死に頭を働かせる。この土壇場で、何か手に取れる奇跡はないかと足掻いていた。

 その奇跡は、思わぬところから舞い降りた。否、それを奇跡と呼べるかは怪しい。というより、それを奇跡と呼ぶ者は居ないだろう。

 それを一言で表すとすれば、奇跡とは程遠い存在…………厄災とでも言えばいいだろうか。

「全く……どいつもこいつも無粋極まるな」

「ッ! あれはッ!」

 突如、迫るミサイルが空中で制止した。何が起きたのかと目を凝らせば、そこではロケットを噴射しているミサイルが魔法陣の中に囚われて空中で留まっている光景を見た。
 その魔法陣の傍らに
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