第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その一
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貴族達の嘲笑
連合で中央政府と各国政府の政治闘争がはじまったと聞いてカミュは彼が自身の宮殿で主催するパーティーの場で客達に話した。
「また連合が愚かな争いをはじめました」
「おお、またですか」
「また中央政府と各国政府が争いをはじめましたか」
「そうしましたか」
「例によって」
「そうです、いつも通りです」
貴腐ワインを飲んでだ、カミュは客達に話した。
「それをはじめました」
「やれやれですね」
「よくあれだけ中で争い続けますね」
「それが出来ますね」
「よくそれが出来るものですね」
「全く以て」
「彼等は常に中で争いますが」
カミュは侮蔑と嘲笑に満ちた顔でさらに述べた。
「またです」
「よくあそこまで争いますね」
「それが出来ますね」
「いつも思いますが」
「それが出来るものですね」
「あれが衆愚です」
あえてこう言ったのだった。
「まさに」
「そうですね」
「話は聞いていましたが」
「常ですね」
「ああしておかしなことをしますね」
「身内同士で争いますね」
「身内同士で争うなぞ」
エウロパの者同士で争うことはというのだ。
「それこそです」
「我々にはないですね」
「そうしたことは」
「身内で争うなぞ」
「敵は連合です」
「連合にこそ向かうので」
「はい、そうしたことはです」
一切というのだ、実際にエウロパではそうした内部での激しい政治対立は殆どない。このことは千年来そうである。
それでだ、カミュはこうも言うのだった。
「我々は楽しんで見ていましょう」
「連合の常を」
「それをですね」
「見ていけばいいですね」
「はい、喜劇として」
今度はシニカルな言葉を出してだ、カミュは話した。
「そうすればいいのです」
「まさにそれですね」
「連合の衆愚達の滑稽な争いです」
「それを見ればいいですね」
「我々としては」
「暫く下手なゲームや劇やドラマより面白いものが見られます」
そうなるというのだ。
「ですから」
「我々としてはですね」
「首相の言われる通りにですね」
「楽しめばいいですね」
「左様ですね」
「宴を楽しみ」
そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「我々はですね」
「その間に発展する」
「愚か者達が愚かな争いを行っている間に」
「そうしますね」
「そうです、今エウロパは発展しています」
そうなっているというのだ。
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