第90話 歪んだ再会
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る天才で教団でも丁重に扱われていた。異能を持っていた俺もその施設のトップに気に入られて俺達は一緒に実験を受ける機会が増えて行ったんだ」
「弟弟子君はそこでレンちゃんに出会ったんだね」
「レンがどういう意図で俺に接触してきたのかは分からない、でもあの子の存在は俺の心が壊れるのを止めてくれた。俺にとって恩人なんだ」
「弟弟子君……」
アネラスは悲しそうな顔でそう呟いたリィンを見て彼の頭を撫でた。
「あっ、ごめんね。つい……」
「気にしないでください。まあ俺とレンはそうやって出会ったんだ。でもあの日に俺達は離れ離れになってしまった」
リィンは暴走した魔獣と戦い最後はレンを守るためにその魔獣と共に崖から落ちたと話す。
「そんな……じゃあリィン君は悪くないじゃない!レンを守るためにやったんでしょ?」
「でもレンを置き去りにしたのは事実だ。恐らくだがその時に結社が来て彼女を回収していったんだと思う」
エステルはリィンは悪くないというがリィンは首を横に振った。こればっかりは偶然が重なってこうなってしまったから誰が悪いとはわたしは思えないよ。
「それに俺はその後色々あって西風の旅団に戻ったけどフィーや皆と平穏に過ごしていたんだ。レンからすれば真剣に探していないって思っても無理はない」
「……リィンはどうする気なの?」
「勿論レンと向き合うさ、彼女が俺を恨んでいるならそれに向き合わないといけないんだ」
わたしの質問にリィンはレンと向き合うと答えた。
よかった、ちょっとだけ不安だったんだ。罪滅ぼしの為に命を差し出すなんて言うんじゃないかと思ったから……
「それに俺の自己満足だけどレンにはあんなところにいてほしくないんだ。あの子にはもっと平穏な暮らしをしてほしい。だから連れ出したい」
「リィン君、私も同じ気持ちよ!ヨシュアと一緒にレンを連れ出したいの!あんな小さな子が結社なんて胡散臭い組織にいたら駄目よ!」
「エステル……」
リィンのレンを結社から連れ出したいという意見にエステルが同意した。
「なら力を貸してほしい、エステルの真っ直ぐな気持ちがレンに良い影響を与えるはずだ」
「ええ、一緒に頑張りましょう!」
リィンとエステルはそう言って握手を交わした。
ああいう前向きな性格がエステルの魅力だよね、リィンも影響されているのかもしれない。
そして私達は今後どうやって動いていくか話し合うのだった。
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――――――
―――
「ぷはぁ!やっぱビールは最高ね!」
「また飲んでる……」
わたしはサラと一緒に居酒屋で食事をしていた。なんでサラがいるかというと
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