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神々の塔
第五十六話 天空に向けてその十

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「軍事費はさらに必要になって」
「しかも他の分野にも予算を回さんとあかん」
 メルヴィルも言った。
「国全体が四苦八苦やな」
「そうした状況やな」
「そう言われるとな」
 メルヴィルはさらに言った。
「枢軸も勝ちやとはやな」
「言えんな」
「負けたとな」
 その逆にというのだ。
「思うな」
「そやな」
「こっちは軍事費はそのままでやってる」
 トウェインは自分達連合のことを話した。
「予算はそのままや」
「何とかでもな」
「それでやっていってるな」
「太宰もおってな」
 副宰相として国の内政財政も含めたそれを取り仕切る彼がというのだ、リーは宰相としてそのことも話した。
「やっていってる」
「そやな」
「経済発展も順調やし」
 リーは自分達の勢力のこのことも話した。
「そうやさかいな」
「やっていけてるな」
「けど枢軸はちゃうか」
 中里もまた相手のことを話した。
「軍事費の負担が大きくて」
「連合以上にな」
「そのうえで経済規模もうちより遥かに小さい」
「総生産は何十倍も開いてる」
「一人辺りでな」
「人口もちゃうしな」
 連合の方が遥かに多いのだ。
「技術力もな」
「それやとやな」
「受けた傷の回復はや」
「相当かかるな」
「ほなほんまに当分動けへんわね」 
 アレンカールもこう分析した。
「枢軸は」
「ああ、しかしこっちが負けたと思ってたら」
「相手もそう思ってたのね」
「それは意外やった」
「あんたでもなのね」
「かなりやられたからな」
 決戦でというのだ。
「そう思ってたが」
「向こうもね。タゴールちゃんもこっちが負けたって言ったら」
 そうしたらというのだ。
「驚いていたわよ」
「負けたのはこっちやってか」
「そう言ってね」
「そやったか」
「チキンカレーを食べる手を止めて」
 そのうえでというのだ。
「そうしたお顔でね」
「言ってたか」
「そうなのよ」 
 これがというのだ。
「ほんまにね」
「そやったか」
「それでね」
 さらに言うのだった。
「あたいも驚いたわ」
「お互いそう思ってることがわかってか」
「そうだったわ」
「そやったか、私も主観が過ぎたか」
 リーはここで自省もした。
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