第三部 1979年
孤独な戦い
姿を現す闇の主 その2
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員の三分の二は瓦礫の下に倒れてるのがかすかに見られた。
外は、武装した警備兵で、ごッた返しの状態だった。
まして、攻撃が日ソ会談の会場の近くとあっては、混乱した第19小隊の兵が少なくなかったことであろう。
御剣は警備兵をかき分けながら、マサキを探していた。
マサキはちょうど、グレートゼオライマーの出撃準備をしている最中であった。
御剣は、機体から降りてきたマサキの姿を、さも、意外そうにながめて、
「こうして君が自由に動けるのは、殿下の特別な計らいによるものだ。
心してその責任のために働くべきではないか」
「……当然なんとかするさ」
マサキは、おちついた声だった。
おそらく御剣は、俺の計画を分かっているのかもしれない。
だから、自由に動けるようにしているのではないか。
なにか、恐ろしいようにも感じた。
「この木原マサキの命を狙うとは、良い度胸だ……」
マサキは、タバコに火をつけると、器用に煙の輪を吐いた。
うなずく顔もなくはなかった。
ところが、この険しさも、突然、調子外れの高笑いに、すぐはぐらかされてしまった。
「俺の計画をつぶした奴らは、全員生きて帰すつもりはない」
御剣も、同調するかのように哄笑する。
まもなく、二人はそれぞれの思惑に、笑い興じた。
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