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冥王来訪
第三部 1979年
孤独な戦い
姿を現す闇の主 その2
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声をひそめ、
「グレートゼオライマーで出る!お前も準備しろ」
 突然、クルンバ・モルディブの上空に、ジェットエンジンの音が鳴り響いた。
外に飛び出していたマサキは、美久の方を向くなり、
「美久!機種は」
 美久は、人間の女性に擬態した高性能アンドロイドである。
ゼオライマーのメインエンジンである、次元連結システムを構成する重要な部品の一つ。
それと同時に、ゼオライマーの戦闘用のシステムを補助する機能を備えていた。
 彼女の眼の中にある光学レンズは、瞬間的に飛来する物体の分析を始めた。
視覚から入る映像を通して、搭載された推論型AIの中にあるデータベースとの照合を行った。
 電子頭脳の中にある膨大な記録の中から、該当する機種を即座に浮かび上がらせた。
A Tactical Surface Fighter,(Kingdom of Sweden.)SAAB 35 Draken.
Mach1.5  Aremd Assault Cannon×4
「機体はスエーデン王国製のサーブ35、ドラケン、フランス製のミラージュVのコピー機です。
速度はマッハ1.5、武装は突撃砲4門です。」
「機数は!」
「4機!」
 間を置いて方々に、叫びの声、騒擾(そうじょう)の音、砲撃の鈍いとどろきなどが、風のまにまに漠然(ばくぜん)と聞こえていた。
 対岸のマレ島の方面には市街から煙が見えていた。
銃火の騒然たる響きが遠くに響いていた。
「なに、ここを爆撃する気か……」
 マサキは、怒りと共に愕然とした。
 俺の計画のすべては破綻か、と思わぬわけにゆかなかった。
そして常々、心の深くに持っていた破滅の感情が、すぐ意識となって、肌の毛穴に、人知れず、覚悟をそそけ立たせてくる。
 一度は志半ばで死んだ身だ。
絶体絶命とみたら、いつでも乗騎のゼオライマーで、世界を灰にする決意を秘めていたのである。
「こうなったら、じたばたしても始まらん」
 マサキはポケットから小型の電子機器を取り出す。
 それは、グレートゼオライマーの護衛戦術機の誘導装置である。
その戦術機は、人工知能を搭載したA-10 サンダーボルトとF−4ファントムの二台である。
マサキは、それを遠隔操作しようとしたのだ。
 会場の外に佇んでいた二台の戦術機は、命令を受けると、即座に対空戦闘の構えを取る。
ファントムは両肩と両足の脹脛(ふくらはぎ)に付けた6連装の箱型ロケットランチャを上空に向ける。
 搭載されているミサイルは、AIM-7Cスパロー3、合計24基。
本来はフェニックスミサイルを搭載しているが、今回は実験の為、航空機で使われていたスパローミサイルに変更したのだ。 
 A-10 サンダーボルトも同様の改修を受けていた。
両足の脹脛に正三角形の形をしたロケッ
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