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仮面ライダーディケイド 本当の自分自身
第十八章
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「それは」
「よくあるのか」
「そうです、よくあります」
 また話す紅だった。
「それもまたスサノオの思惑の中かも知れませんが」
「仮面ライダーは人間だ」
 名護も言ってきた。
「人間であるからこそライダーである」
「となるとあれだね」
 今度は海東が話す。
「ライダー、つまり人間と対峙する存在がスサノオだってこうだね」
「そういうことになる。そうした意味で俺も人間だ」
 登も話してきた。
「ファンガイアであろうともだ」
「そうだな。人は心によって人になる」
 門矢もこれまでの戦いでわかったのだ。
「だが心をなくせば」
「そういえばそういう奴も今まで結構見てきたな」
「はい、これまで巡った世界で」
 小野寺と光もここでわかった。
「そういう奴も多かった」
「そうですね」
「俺達を見ればわかる」
「僕達は姿は人じゃない」
「しかしだ」
 次狼にラモン、力も出て来て話す。
「心が人であれば人になる」
「姿形の問題じゃなくてね」
「だから俺達も人間だ」
「最初は俺もわからへんかったんや」
 襟立もそれは同じだった。
「それで渡を殺そうとしたこともあった」
「混沌としてるけれど。私も名護君もそうだったし」
 恵もなのだった。
「それがわかるようになるには色々な曲折があったりするのよ」
「それもスサノオの思惑か」
 また言う門矢だった。
「ではそうしたことを全て見極める為にだ」
「そうだね、もう行こうか」
 海東が声をかけた。
「これからね」
「わかっている。では行くとしよう」
 最初に席を立ったのは門矢だった。既にコーヒーを飲み終えている。他の面々もそれぞれ飲んでいるコーヒーを飲み終えてだ。そうして戦いに赴くのだった。
 残ったのは静香と栄次郎である。彼は呑気な感じで笑いながら言うのだった。
「さて、皆凄いものを掴みますね」
「凄いものですか」
「そうです。人として大切なものをです」
 それをだと笑って話すのである。
「それを手に入れます」
「私達はじゃあ」
「待つことが仕事の立場の人間もいるのです」
「私もそれなんですね」
「はい、そうです」
 まさにそうだというのだ。
「ですから。ここは待ちましょう」
「わかりました。ところで」
「はい。ところで?」
「ここって写真館ですよね」
 静香が今度言うのはこのことだった。
「そうですよね」
「はい、その通りですが」
「それでも。コーヒーもお菓子も美味しいですね」
 コーヒーだけでなくクッキーも食べている静香だった。そのうえでの言葉だったのだ。
「それもかなり」
「まあそれは趣味でして」
「趣味なんですか」
「はい、仕事はあくまで写真屋です」
「成程」
「趣味は多い方がいいものです」

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