第四話 同居の準備その三
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「何時でもうちに帰ってきてね」
「実家ね」
「ここはこれからそうなるのね」
「何時でもいいから。ただ二人共悪い子達じゃないから」
「連れて来てもいい?」
「こっちにね」
「いいわよ」
笑顔での返事だった。
「その時はね」
「それじゃあね」
「そうさせてもらうわね」
「ええ、そうしたら」
その時はというのだ。
「もてなさせてもらうわね」
「宜しくね」
「四人で戻って来るから」
「そうしてね」
「元々猿飛家いや十勇士の家はどこも大阪と縁があるからな」
父はこのことも話した。
「幸村公と一緒にな」
「大坂の陣以外にもね」
「幸村公は関ケ原までは大坂によくおられたから」
「それでよね」
「大阪に縁があるのよね」
「そうなんだ」
娘達にこのことを話したのだった、語るその顔は歴史にある様々なものを感じて感慨に耽っているものだった。
「それでうちはな」
「大阪にいるわね」
「今こうしてね」
「これも縁よね」
「そうよね」
「そう思うよ、お父さんも」
実際にというのだった。
「これも縁だ」
「私達が今大阪にいることは」
「そのことは」
「それでこれからも実家が大阪にある」
「そのことはね」
「縁だ」
まさにというのだ。
「本当にな」
「そうよね」
「何といっても」
「そういえば神戸のある兵庫県は」
母はふと気付いて言った。
「後藤又兵衛さんのね」
「出身地なのよね」
「幸村公の盟友だった」
「それで実は生き延びていて」
「奈良に一旦逃れたのよね」
「そこから密かに鹿児島に逃れたのよ」
娘達に話した。
「あの人はね」
「そうだったのよね」
「これが」
「そうよね」
「死んだって言われてるけれど」
大坂夏の陣においてだ。
「実はね」
「そうなっていたのね」
「そうよ、私達のご先祖様と一緒にね」
「薩摩で暮らしていたのね」
「後はね」
「秀頼さんも一緒で」
「そして秀頼さんの息子さんは」
母はこの人の話もした。
「処刑されたって言われてるけれど」
「大坂夏の陣の後で捕まって」
「そうなったって言われているけれど」
「実は生きていてね」
娘達にさらに話した。
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