第十四章
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「しかしだ」
「しかし。何だ?」
「私は貴様以外にも闘いたい相手を見つけた」
「俺以外にも!?」
「そうだ。この世界のジョーカーだった男」
彼だというのだ。
「相川始、あの男に会いたいものだな」
「それで何を見るつもりだ?」
「私をだ」
こう言うのであった。
「この世界の私が今どうしているのかをな。人間として」
「ジョーカー、御前は」
「だが今はこれで去ろう」
言葉をとぎってきた。
「さらだば、大ショッカー、そしてクウガよ」
こう言って背中から倒れ爆発を起こし消えた。これで終わりであった。
そしてキバーラは。アビスと対峙していた。
「ねえ、夏海ちゃん」
「はい」
キバーラは光に対して声をかけ彼女もそれに応えていた。
「いいかしら」
「決着をつけるんですね」
「そうよ」
まさにそれだというのである。
「決着をつけるからね、こいつと」
「アビスと」
「安心して、楽勝よ」
キバーラは実際に余裕をその言葉の中に入れていた。
「夏海ちゃんならね」
「私ならですか」
「そうよ、いけるわ」
また言うキバーラだった。
「貴女だとね」
「私だとですね」
「それに私もいるのよ」
しっかりと自分のことを言うのも忘れない。
「だからね。やれるわ」
「そうですか。だったら」
「まずは跳んで」
キバーラはこう告げた。
「跳んで。いいわね」
「跳ぶんですか」
「このキバーラは言うなら白いキバなのよ」
「それってそのままじゃないんですか?」
こうして突っ込みもさりげなくだが入れる光だった。
「もうそうとしか」
「そうかも知れないわね。ただ」
「ただ?」
「強いことは間違いないわ」
「強いことはですか」
「そうよ、私達は強いわよ」
彼女だけではないという。しっかりとした言葉で言ったのである。
「だからね。自信を持って」
「それで跳んで」
「ほら」
言うとであった。キバーラのその右足が自然に上がった。そうしてその後ろに白い三日月が見えた。それはまさにキバーラそのものであった。
その三日月を背負ってだ。さらに言うキバーラだった。
「それじゃあ」
「はい、それじゃあ」
「跳んで」
また言ってみせた。
「ここでね」
「はい、じゃあ!」
実際に跳ぶと宙に逆さになる。そこから一気に急降下して蹴りを入れる。
右足からのその蹴りはアビスでさえも避けきれるものではなかった。まさに一瞬であった。
「くっ、しまった!」
「しまったっていうのはね」
キバーラはその彼に対しても言うのであった。
「死ぬその時に言うことなのよ。つまり」
「つまり。どういうことだ」
「今なのよ」
こう言うとであった。アビスの背に巨大な白いキバの紋章が浮かび上が
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