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神々の塔
第五十六話 天空に向けてその三

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「必ずな」
「神霊さん達にも属性があるが」
 メルヴィルは強い顔と声で話した。
「むしろ神霊さん達こそな」
「属性が強く出てるやろ」
「わし等そして獣やモンスターよりもな」
「遥かにな」
「強く出てるわ」
「力が強いだけにな」
「そうなってるな」
 リーに対して話した。
「まさに」
「そうやとな」
「弱点を衝くと」
「確かに力は強いが」 
 そうであってもというのだ。
「属性の力も強い分な」
「弱点もはっきりしてるな」
「幾ら強くても無敵の存在はおらん」
 リーは言い切った、それも迷いなく。
「必ずや」
「弱点があるな」
「ない筈がない」
「無敵の人もおらんかったら」
「無敵の神霊さんもな」
「いてはらへんな」
「ほんま誰もが何かしらな」
 リーはさらに言った。
「弱点があるわ」
「そうやねんな」
「例えば無敵のストッパーがおる」
 野球からも話をした。
「ストレートも変化球もよくてコントロールもええ」
「ピッチャーとして優れていてか」
「投球術も見事や、しかしな」
「そんな人もやな」
「弱点があるわ」
 こうメルヴィルに話した。
「絶対にな」
「そやねんな」
「例えば守備が悪い」 
 無敵のピッチャーでもというのだ。
「捕球が駄目で送球も悪い」
「ああ、そんな人いるわね」
 アレンカールがまさにと応えた。
「サッカーでもね」
「そんな人おるな」
「攻撃は凄くても」
 それでもというのだ。
「タックルとかがね」
「下手な人おるな」
「ええ、あくまで攻める人で」
 そちらがよくてというのだ。
「守りはね」
「弱いな」
「そんな人いるわよ」
「それでそのストッパーさんもな」
「守備が駄目なのね」
「そこを衝けばな」 
 守備の悪さをというのだ。
「崩せる、ほんま無敵の人はな」
「おらへんで」
「組織も生きものもそうで」
「神霊さんもよね」
「そや、人と神霊は全くちゃう」
「幾ら凄くても神霊にはなれへんわ」
「そこには絶対の壁がある」
 人と神霊の間にはというのだ。
「絶対にや」
「人は生きて神霊にはなれへんわ」
「全くな」
 それこそというのだ。
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