第8話
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「は、はい……でもどうしてディンゴさんがこんな所に……ハッ、ひょっとしてわたしが掴んだスクープを横取りしにきたとかっ!?」
「ふう……どうしてそうなる。言っておくがジャコモの件は解決済みだ。犯人も含めてGID預かりとなっている。そちらの編集長も了承している筈だぞ?」
マリエルを心配したディンゴだったが手配魔獣に襲われたにも関わらずいつもの調子のマリエルに呆れた表情で溜息を吐いた後指摘した。
「へ。じゃ、じゃあどうしてわたし、こんな暗くて怖くて恥ずかしい目に……」
ディンゴの指摘にマリエルは呆けた後自分の状態に困惑し
「だ、大丈夫ですか!?」
そこにアニエスがマリエルに近づいて声をかけた。
「あ、貴女は……?あれっ、どこかで見たような――――――きゃああああっ!?な、なによこれえええっ!?み、見ないで!ディンゴさんは見ちゃだめええ!」
アニエスに声をかけられたマリエルは首を傾げたがすぐに手配魔獣の粘液によって服の一部が溶けた事で所々肌を晒している自分の状態に気づくと顔を赤らめて悲鳴を上げた。
「ふう……まったく。」
「ま、あのクラスの魔獣に襲われてその程度で済んだのだから御の字だろ。ありえない強運ってのも納得だぜ。」
マリエルの様子にディンゴが苦笑している中ヴァンは冷静な様子で指摘した。
「そ、その程度って何ですか!?乙女のあられもない恰好を前に―――って貴方はあの時の――――――!?”裏解決屋”とかいう怪しい職業で、あの事件も勝手に解決したっていう……」
「あ〜………」
ヴァンの指摘に反論したマリエルだったがヴァンの顔をよく見てヴァンの事を思い出すと怒りの表情でヴァンを睨み、睨まれたヴァンは気まずそうな表情を浮かべてマリエルから視線を逸らした。
「あ、貴方がデタラメを言ったせいで酷い目に遭ったんですからっ!!!警察の人には釘を刺されまくるわ、事件解決を完全に取り逃がすわっ……!」
「いや、それについちゃあ悪かったとしか言いようがねぇが……――――――その恰好で野郎に近寄らない方がいいんじゃねえか?ディンゴ相手だけにしとけよ。」
「!〜〜〜〜〜っ〜〜〜〜〜………」
「ヴァンさん……」
立ち上がってヴァンに近づいて文句を言ったマリエルだったがヴァンの指摘に言葉を失くし、恥ずかしそうな表情で身体を震わせ、アニエスはジト目でヴァンを見つめた。
「ふう、ともあれここは事件の現場じゃないってことだ。記者には記者の現場がある。とっとと出て着替えるといい。――――――ヴァン、アニエス嬢も助かった。いずれ借りは返させてもらおう。」
「あ……いえ、どういたしまして。」
「後ろめたいしチャラでいいぜ。そんじゃ、気を付けて帰れよ〜
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