第8話
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を貸すって言ってんだろ。――――――手前のエリアは気配がなかった。いるとすればこの先だろう。」
3人が自分の推測に頷くとアニエスはヴァンを見つめて指摘し、メイヴィスレインもアニエスの言葉に頷いた後蔑みの視線でヴァンを見つめて指摘し、二人の指摘に答えたヴァンは振り向いて奥へ続く道を見つめて推測を口にした。
「すまんが、俺の得物はカメラだけだ。戦闘はアテにさせてもらう。手配魔獣とやらのところまで行ってないといいんだが……」
「そ、それを言うなら普通の魔獣も十分に危険だと思いますけど……とにかく急ぎましょう!記者の方を保護しないと!」
そしてディンゴを加えたヴァン達はマリエルを捜しながら先へと進み続けた。
「そういやあの新米記者、お前に随分とご執心みたいだな?で、どんな関係なんだ?」
「ライバル視されていると言いましたが、何か理由があるんでしょうか?」
先に進んでいたヴァンとアニエスはふとディンゴとマリエルの関係が気になり、ディンゴに訊ねた。
「どうと聞かれてもな……ただの同業者としか答えようがない。フッ、しかし君は意外と遠慮なく踏み込んでくるタイプだな。」
「ハッ、すみません……」
ディンゴの指摘に我に返ったアニエスはディンゴに謝罪した。
「いや、いいさ。隠すようなことでもない。マリエルが”タイレル通信”に入った直後の頃……彼女は無謀にも、当時怪しい噂があったとある政治家をしつこく嗅ぎまわっていてな。それを気づかれて、色々と脅されていたそうだ。」
「正義感に燃えるジャーナリストがいつの間にか闇に消える……よく聞く話だがお前もその件に関わっていたのか?」
「ああ……偶然にも俺もあの政治家のネタをいくつか探っていてな。スクープするには物足りなかったから、あえてマリエルに流すことにした。すると彼女は予想通り、それらを公表した。」
「それで、どうなりましたか?」
「結論から言えば、どうもなっていない。言ったように、スクープするには物足りないネタではあったからな。普通ならあの程度のネタをわざわざ記事にしたりはしないんだが。」
「それも未熟な新人故の行動ってわけか。」
「ああ、だが相手の政治家はそう思わなかったようだ。マリエルにもっと大きなネタを握られていると勝手に思い込み――――――『このくらいで互いに手打ちにしよう』という彼女の意思表示だと勘違いした。それ以降、彼女に手を出す事はなかった。」
「まさかディンゴさんはそこまで読んで情報を流して……?」
ディンゴの話を聞いたアニエスは驚きの表情でディンゴに確認した。
「狙っていなかったわけじゃないが、上手く行ったのはたまたまだな。どうも、マリエルは異常なほどの幸運の持ち主らしくてな。厄介
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