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夢幻水滸伝
第三百三十四話 フェニックス攻略その十四

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 突進を終えたスタインベックに片膝をつけさせた、剣は刺さっていなかったが左肩に受けた一撃はかなりのもので。
 傷口を抑えながら立ち上がってだ、彼は言った。
「もうこれで、ですわ」
「負けを認めるか」
「今の一撃は致命傷でした」 
 全快の術で回復させながら言う、傷口はそれで回復している。
「また攻めてもです」
「致命傷受けるってか」
「そうなりますさかい」
 だからだというのだ。
「どんな動きをしても」
「自分の動きは見切った」
 確かな声でだ、トウェインは告げた。
「完全にな」
「それがわかりましたんで」
「自分の負けか」
「それを認めます」
「そうするか」
「降ります」
 スタインベックは自分から言った。
「そうさせてもらいます」
「そうか、ほなな」
「戦が終わるまでラスベガスにいますんで」
「そこで休むか」
「そうします、街の子供達と遊びながら」
 このことは笑って話した。
「戦が終わるの待ちますわ」
「そうするか」
「はい、ほなこれで」
「今は去るか」
「そうします、敵同士やったんで健闘は祈れませんが」 
 それでもというのだった。
「また会いましょう」
「ああ、すぐにな」
「その時は飲みますか」
「何を飲む?」
「バーボンですね」
「そうか、それ飲んでな」
「お話しましょう、ほな今は」 
 これでというのだった。
「軍は預けますんで」
「ああ、大事にさせてもらうで」
「そのことはお願いします」 
 こう言ってだった。
 スタインベックは今は戦の場を後にした、その彼を両軍の将兵そして民衆は健闘を讃え拍手と喝采を浴びせた、彼はその中を胸を張って去ったのだった。そこには確かな誇りがあった。


第三百三十四話   完


                   2023・12・15
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