暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第190話:繋がる奇跡
[8/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。

「ならばこれで言い訳が建つだろう。失せろ、邪魔だ」

 そう告げて彼が突き放す様に指揮官を解放すれば、攻撃部隊は大人しく後退した。それを見送って、輝彦は奏達の元へと歩み寄る。
 やって来た彼の姿に、奏は何か進展があったのかと訊ねた。

「おじさん、颯人はッ!」
「すまない、まだ見つからないんだ。だが……」
〈ヴィジョン、ナーウ〉

 残念そうに首を振った輝彦だったが、続き彼が使用した未来視の魔法で見える景色は明らかにこの近辺で戦う颯人の姿だった。しかもその姿は、先日に比べて大分異形化が進んでいる。

「これって!?」
「経緯は分からんが、この近くに颯人が現れると言う事だ。闇雲に探すのは止め、ここで颯人を待つ。危険かもしれんがそれが確実だ」
「となると、先ずは先にヒビキを止めなくてはな」

 ガルドが見上げた先では、何処か警戒した様子でこちらを見る変異した響の姿がある。彼女達は顔を見合わせて頷き合うと、彼女を救うために動き出す。

「じゃじゃ馬馴らしだッ!」
「ハァッ!」

 クリスがボウガンで射撃しながら気を引き、その隙に翼が影縫いで動きを封じようとする。しかし影縫いは所詮対人戦用の技。神の力を前には一時的に動きを封じる以上の効果は望めず、力技で振りほどかれてしまった。

「〜〜〜〜ッ! アァァァァァッ!」
「やはり対人戦技では効果が望めぬかッ!」
「だけどこの隙を無駄にはしないッ!」

 マリアが短剣の間に光の膜を形成し、それで巨体となった響を包もうとする。その間にガルドと輝彦が魔法による攻撃で彼女の動きをその場に釘付けにしようとした。

〈エクスプロージョン、ナーウ〉
「アァァァァァッ!?」
「チッ、魔力温存の為に威力を押さえているとは言え、軽く仰け反る程度か」
「だが動きは止められているッ! 今ならッ!」

 彼らの行動が功を奏し、響の巨体をマリアの光の膜が包み拘束した。光の膜でグルグル巻きにされた響は、拘束から逃れようと藻掻き暴れ始める。

「止まれぇぇぇぇぇッ!」
「アアァァァァァァァァッ!」

 動きを拘束されながらも、抵抗しようと口から光線を放とうとする。それを察して、輝彦と透、ガルドの3人が魔法の鎖を響の頭に巻き付けて思いっ切り顔を仰け反らせた。

「させるかッ!」
〈〈チェイン、ナーウ〉〉
〈バインド、プリーズ〉

 顔をのけ反らされた事で光線は空の彼方へと消えていく。幸いな事に今度は射線上に衛星がなかったのか、何処の国の衛星が破壊されたなどの報告は入ってこない。

 動きを封じられ、反撃も封じられたからか響は絶叫を上げて激しく暴れた。

「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!」

 響の拘束には成功したが、やはり相手は神の力を手にし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ