暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第190話:繋がる奇跡
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光が零れると、蛹を支えていた支柱が外れゆっくりと地面に下ろされる。そして地面に降り立った蛹から、巨大な人型のナニかになった響が姿を現した。

「アァァァ…………アアアアァァァァァァァッ!」

 ティキが変異したディバインウェポンに比べれば大分人型に近い巨人となった響は、叫び声と共に口から光線をしっちゃかめっちゃかに吐き出し残された周囲の廃墟を吹き飛ばしていく。見る限りにおいてあれに響としての意識は感じられず、暴走して闇雲に周囲を攻撃しているだけの様だった。
 不幸中の幸いなのは、あの状態の響が明確に何かを敵視してはいないと言う事だ。先程自分に砲撃してきていた戦車が視界に納まっているにも拘らず、反撃で吹き飛ばそうとしている様子が見られない。

 だがそれは意図して狙っていないだけであって、攻撃の対象にならないと言う事を意味してはいなかった。それを証明するように、デタラメに周囲を薙ぎ払っていた光線が攻撃部隊にも向けられる。
 喰らえば一溜りも無いだろうその光線を、マリアのアガートラームが展開したシールドで防ぐ。しかしその威力は1人の力で受け止めきれるものではなく、光線の威力を散らして戦車部隊への被害を最小限にとどめる事は出来たものの、攻撃を受け止めたマリア本人は吹き飛ばされてしまった。

「ぐっ!? ぐぅぅぅ、うあぁぁぁぁぁっ!?」
「「マリアッ!」」

 後ろに吹き飛ばされたマリアを、切歌と調が受け止める。幸いな事にシールドにより威力の大半が散らされていたのか、吹き飛ばされた以外にマリアに目立ったダメージは見られない。しかし装者の中でも特に鉄壁に近い防御力を誇るマリアのシールドを、粉砕してしまった一撃には切歌も戦慄せずにはいられない。

「あのデタラメな強さは、何だかとっても響さんデスよッ!」

 否が応でもあれが響であると認めざるを得ない。この状況に、戦車部隊は色々な意味で邪魔になると翼が彼らに撤退するよう告げた。

「この戦場はこちらで預かるッ! 撤退されよッ!」

 しかし戦車部隊の指揮官はそれに対して拒絶の姿勢を崩さなかった。

「国連直轄の先遣隊か? 我らは日本政府の指揮下にあるッ! 撤退命令は受けていないッ!」

「あの石頭共……! 状況分かってんのかッ!」

 戦車部隊の指揮官の返答に奏が吐き捨てた。一撃で戦車を数両軽々と粉砕出来てしまう威力のある光線を連射できる存在を前に、鈍足な戦車で何が出来ると言うのか。例え数発射撃を当てられたとしても、反撃で一網打尽にされるのが関の山だ。

 そんな事を奏達が考えていると、出し抜けに変身した輝彦が現れ次々と戦車の砲身を切り裂いた。突然の事態にハッチから身を乗り出していた指揮官が言葉を失っていると、その傍らに降り立った輝彦が指揮官の胸倉を掴んで持ち上げ
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