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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第190話:繋がる奇跡
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れていた。錬金術による広域索敵。一流の錬金術師が集まれば、例え姿が見えなくとも颯人の姿を見つけ出す事は容易な筈であった。
 しかし結果は芳しくなく、彼女達の力を以てしても颯人の所在は分からぬままであった。この状況に、流石のカリオストロも違和感を感じずにはいられず首を傾げた。

「考えられるとすれば、誰かが奴の居場所を隠しているか、なワケダ」
「誰かって……誰ですか?」

 不可解な事態と首を傾げるカリオストロに対し、プレラーティは薄々感じていた予感を口にする。傍から聞いていた未来が思わず疑問を口にすると、プレラーティはそちらを一瞥して口を開いた。

「……ワイズマン」
「ッ! ワイズマンだとッ!」
「確かに……あの享楽主義者なら在り得る話ね」
「性根のねじ曲がったあの男なら、こっちが慌てる様子を楽しむ為に手を施すくらいはするでしょうね」

 ワイズマンは奏達にとっても因縁のある相手だ。ルナアタック事変で奴と直接戦い、そして一蹴されたクリスなどは腸が煮えくり返る思いだった。
 最近は大人しいジェネシスも、この大一番で介入してくる可能性は確かになくも無い。特にここ最近の静けさは、この混乱を狙っていると考えれば納得できる。この機に乗じて邪魔な結社とS.O.N.G.を一度に潰そうと考えているのだろう。

「そうはさせっかよッ! 来るなら来いってんだッ! 前の借りの分も含めて返してやるッ!」

 ワイズマンとの再戦に意気込むクリスを、透が宥めるように肩に手を置く。

 その時、突如として朔也から通信が入った事の報告がなされた。それも鎌倉からの直通の通信。それが意味するものとは、つまり…………

『護国災害派遣法を適用した』

 正面のモニターに突如映し出されたのは白髪の目立つ1人の老人、風鳴 訃堂。開口一番彼が口にした言葉の無いように、弦十郎が息を呑んだ。

「はっ……!?」
「護国?」
〔どういう意味です?〕

 訃堂が何をするつもりなのか分からないクリスと透が怪訝な顔をするが、翼はその言葉の意味を理解して険しい表情になった。

「まさか立花を、第2種特異災害と認定したのですかッ!?」
『聖遺物起因の災害に対し、無制限に火器を投入可能だ。対象を速やかに、殺処分せよッ!』

 翼が上げる抗議の言葉を無視して一方的に告げてくる訃堂。これには弦十郎も反論せずにはいられない。

「ですが現在、救助手段を講じており――」
『儚きかな。国連介入を許すつもりか? その嚆矢(こうし)は反応h――』

 そこで突如通信が途切れた。何事かと弦十郎達があおいの方を見れば、何時の間にそこに居たのか奏が彼女の後ろから手を伸ばして通信を切るスイッチを押していた。

「え、ちょっ!? 奏ちゃんッ!?」

 
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