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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第190話:繋がる奇跡
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ないが、ここで無策に動き回ってもいざという時颯人の力になれないのでは意味がないと思考が働く程度には冷静さを取り戻していた。
無言で頷き、沈痛な面持ちで俯く奏。翼が彼女の手を握り、サンジェルマンが輝彦に視線を送れば彼はそれに頷く事で応えその場から姿を消した。
一方モニターの向こうでも、響に神の力が宿った事に唖然としていたアダムが唐突に姿を消した事が念話でサンジェルマンに伝えられた。
こうして、神の力を巡る激動の時間は一時の終わりを見せるのだった。
***
それから、48時間もの時間が経過していた。その間輝彦の必死の捜索にも関わらず颯人の姿はおろかレギオンファントムすら見つけることは出来ず、また響にもこれと言った変化が起きる事無く無為に時間だけが過ぎていた。
現場では大きな変化は起きなかったが、一方で裏方では事態が大きく推移していた。
『……立花 響が神の力と称されるエネルギーに取り込まれてから、48時間が超過……』
本部では弦十郎が八紘と通信しているが、モニターの向こうの八紘の表情は芳しくない。それと言うのも、彼の下に入る報告が原因だった。
『国連での協議は最終段階。間も無く、日本への武力介入が決議される見込みだ。そうなるとお前達S.O.N.G.は、国連指示の下、先陣を切らねばならないだろう』
「やはりそうなってしまうか……」
『さらに状況が状況である為、事態の収拾に反応兵器の使用も考えられる』
「反応兵器ッ!? だが、あの中には響君がッ!」
予想される国連の動きを前に、弦十郎も思わず目を剥く。八紘としても勿論それは許せる事態ではないと考えているが、悔しいかな言い分は国連側に分があった。特にアメリカは、自国の軍事衛星をディバインウェポンにより破壊されたと言う被害を被っている。それが口実となり、アメリカは特に鼻息荒く事態への介入に対して積極的であった。
その最悪の事態を回避する唯一の手段は、取り込まれた響の救出と神の力の無力化以外にない。
『引き続き、局面打開に尽力してほしい。それがこちらの交渉カードになり得る』
「分かった……済まない、兄貴」
通信が切れ、モニターから八紘の顔が消えると、発令所には重苦しい空気が流れる。
国連決議による武力介入……ほんの数週間前のバルベルデと同じ状況に、今度はこちらが陥るなど想像すらできなかった。
それに加えて、問題はもう一つある。
「颯人君の現在地は、未だ分かっていません。ウィズさ、あ、いえ、輝彦さんからの報告だと、途中で痕跡が途絶えていると」
慎次からの報告に、弦十郎の後ろに控えていた奏が歯を食いしばりやり場のない気持ちをぶつけるように壁を殴りつける。
「クソッ! 颯人…
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