暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第190話:繋がる奇跡
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アリスが何かに気付き、それにサンジェルマンと了子が反応を示す中、エルフナインは彼女が言わんとしている事を理解した。

「以前、フロンティア事変の折、響さんは肉体を蝕むガングニールの欠片の除去の為に未来さん共々神獣鏡の光を浴びました。神獣鏡とは、魔を払う浄化の輝きを放つ鏡。恐らくその影響で、響さんが魂に宿していた呪いが解かれたのかもしれません」
「そんな事が……なるほど確かに、それならば納得は出来る。浄罪され原罪を背負っていないのであれば、神の力も……」

 アリスの導き出した結論に、サンジェルマンが納得し頷く。正面のモニターに映し出されている状況をその場の者達がある程度理解できたところで、弦十郎がこの場に1人足りない事に気付いた。

「ん? そう言えば、颯人君はどうした? それにレギオンファントムは?」

 先程一際大きく本部が揺れたかと思ったら、それ以降妙に本部の中が静かになった。その事に弦十郎が疑問を口にすると、予想外の事態の連続に逆に落ち着きを取り戻していた奏の中に再び焦りが生まれた。

「あ、そうだッ! こんなことしてる場合じゃないッ! 旦那ッ! 颯人を探せるかッ!」
「待て待て、状況が理解できん。一体何が起こった?」

 立て続けに起こったごたごたでまだ状況の整理が出来ていない弦十郎が、焦る奏を宥めながら周囲を見やる。その視線にマリアとクリス、透は言葉を探して互いに顔を見合わせる中、輝彦が前に出て簡潔に状況を説明する。

「颯人の体が保てなくなりつつある。アイツは今、内側から出てこようとしているファントムを押さえながらレギオンファントムを相手に戦い続けている最中だ」
「何だとッ!?」

 鉛を飲み込んだような顔で輝彦が口にした現状に、弦十郎も漸く事態を理解しすぐさま朔也に周囲のカメラの様子を確認させた。

「藤尭ッ! 周辺のカメラに颯人君の姿は映っているかッ!」
「確認していますが、本部周辺にそれらしき姿は確認できませんッ!」
「ですが真新しい破壊痕が点在している為、追跡は可能かもしれません」
「どこだッ! 何処に颯人はッ!」
「待て、奏ちゃん」

 急いで颯人の後を追おうとする奏を輝彦が抑える。何故邪魔をするのかという目で奏が彼を見れば、そこには険しい顔をした輝彦の顔があった。

「颯人は私が追う。君はここに居るんだ。追跡なら、私の方が向いている」
「おじさん……でも」

 渋る奏だったが、そんな彼女の肩にサンジェルマンが手を置き輝彦に助け舟を出した。

「彼の言う通りよ。君はここまでの戦いで消耗している。彼を迎えに行く時の事を考えて、今は疲れを癒すべきよ」
「奏、今は……」

 輝彦とサンジェルマンに加え、翼からも宥められてやっと奏の心も落ち着いた。正直落ち着いては居られ
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