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八条学園騒動記
第七百三十六話 広い部屋その七

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「ありません」
「そうだな、体格は環境次第で変わり」
「周りが大きいか小さいか」
「それで変わる、平均身長が一六〇位の時代は長かった」
「ローマも十九世紀のフランスも」
「日本でもな」
 この国でもというのだ。
「今我々がいる」
「平均が一五五程の」
「そこに我々が行くとだ」
「間違いなく大男ですね」
「そうなる、昭和のスポーツ選手でもな」
 体格が求められる彼等でもというのだ。
「二次大戦前は一七〇ない者が多かった」
「スポール選手でもですか」
「そうだった、今は二メートル以上が普通だが」
 日本のスポーツ選手はというのだ。
「競技にもよるが」
「それでも大きくなりますね」
「スポーツ選手はな、だが」
「昭和、二十世紀の日本では」
「二次大戦前だから前半になる」
 戦争前と言ってもというのだ。
「その頃はな」
「一七〇以下の人も多かったですか」
「そうだった、そして体格が家の造りにも影響するからな」
「体格に合わせて造られるので」
「連合の家は何もかもが広く」
 そうした造りでというのだ。
「屋根もだ」
「高いですね」
「拿捕した軍艦もな」
 エウロパ戦役でそうしたというのだ。
「中に入るとな」
「広かったのですね」
「天井も高くな」
「確かに。連合軍の艦艇は大型ですね」 
 上等兵も真顔で答えた。
「駆逐艦や護衛艦もです」
「エウロパ軍では巡洋艦だ」
「それ位の大きさですね」
「装備も防御力もな」
「左様ですね」
「連合軍の艦艇は重装備高防御力だが」
 そこに索敵能力のよさも加わる。
「それを差し引いてもな」
「大型ですね」
「このことにもだ」
「連合市民の体格が影響していますね」
「そうだ」 
 まさにというのだ。
「やはりな」
「そうなのですね」
「だからベッドもな」 
 これもというのだ。
「大きい」
「そうですね」
「大きくないとだ」
 連合ではというのだ。
「寝られない」
「普通に一九〇あるので」
「二メートル以上もざらだ」
「それだけの体格の持ち主もですね」
「それこそ二メートル二十ある人間もいる位だしな」
「目立ちますね」
「ラガーマンだとそれ位がな」
 大尉は話した。
「普通だ」
「物凄いことですね」
「流石にそれ以上になるとな」
「そうはいないですね」
「人間大きくなり過ぎるとな」
 その体格がというのだ。
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