第百十五話 運動会の準備その十四
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「笑って言ったそうだけれど」
「そういう問題じゃないわよね」
「殺すぞとか死ねとか普通に言ったそうだし」
「言葉の暴力も相当ね」
「面を着けていなくても相当で」
その暴力はというのだ。
「これまで話した通りね」
「殴って蹴って」
「面着けても同じで結局ね」
「とんでもない暴力教師ね」
「そもそも面着けたらって問題じゃないから」
「暴力振るったらいけないわね」
「ましてやそこまでって。そんな先生に出会わなかったら」
伊東は心から思った。
「それだけで幸せだよ」
「虐待受けないから」
「ましてそんなことされても相手はクビにならないなら」
「振るわれ損よね」
「うん、世の中酷い人はいるけれど」
それでもというのだった。
「最低ランクのさらにね」
「最低よね」
「人間の底を抜いた」
「人間以下よね」
「外道って言っていいよ」
そこまでの輩はというのだ。
「もうね」
「本当にそうよね」
「外道に会わないだけでね」
「幸せよね」
「痛い思い嫌な思いをしないなら」
そうした輩と出会ってだ。
「幸せだよ」
「それだけでね」
「まあね」
こうもだ、伊東は留奈に言った。
「そうした人に出会えば人を知ることが出来るかな」
「人を?」
「いい人に出会うことも勉強になるなら」
それならというのだ。
「酷い人に出会うこともね」
「ああ、いい人はお手本にして」
「悪い人は反面教師になるから」
だからだというのだ。
「それでね」
「それもまた勉強になるのね」
「こんな人になりたくないよね」
留奈に真顔で問う様にして言った。
「やっぱり」
「それはね」
留奈も眉を顰めさせて答えた。
「何があってもね」
「そう思って」
「実際にやるなら」
「それならね」
「それも勉強ね」
「世の中いい人も悪い人もいるから」
だからだというのだ。
「どちらの人にも会うしね」
「そこまで悪い人だと」
「絶対になりたくないと思って」
そうしてというのだ。
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