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金木犀の許嫁
第三話 お見合いその四

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「ガードマンとか情報収集とかな」
「何か御庭番みたいね」
「本当にそんな感じでな」
「お仕事してるの」
「企業も情報と安全あってだろ」
 父はこの現実を話した。
「だから八条グループも力を入れてるんだ」
「情報と安全については」
「それでご本家や他の十勇士のお家も雇われたんだ」
 そうだったというのだ。
「維新の時からな」
「もう江戸時代が終わってすぐに」
「他の忍者の人も雇われてな」 
 そうしてというのだ。
「ご本家もだったんだ」
「そんな歴史があったのね」
 真昼はここまで聞いて思わず息を呑んだ。
「忍者にも歴史ありね」
「そうだ、じゃあ今からな」
「ご本家に入って」
「そのうえでお見合いだ」
 こう話してだった。
 父が家のチャイムを鳴らした、それは正門の横にありそこには小さな扉があった。そしてチャイムを鳴らすとだ。
 薄紫の振袖と紫の帯の白華が出て来た、そのうえで挨拶をしてきた。
「お待ちしていました」
「こんにちは、白華ちゃん」
「こんにちはです、夜空さん」 
 まずは二人が挨拶をした。
「本日はよくぞ来られました」
「お出迎え有り難うね」
「これは当然のこと。それでは」
「うん、今からね」
「中に入られますね」
「そうさせてもらうわね」
「はい、こちらです」
 白華は微笑んでリモコンを出してそのボタンを押した、すると正門が音を立ててゆっくりと開いた。そこからだった。
 広い日本の庭と道それに見事な屋敷が見えた、夜空はその門が開くのと庭に屋敷を見て息を呑んだ。
「凄いわね」
「まあ代々のお家でして」
 白華は少し照れ臭そうに答えた。
「維新からの」
「代々こちらで暮らしてるのね」
「そうです、この辺りは十勇士のお家が集まっていまして」
「そうなの」
「どのお家もこうした感じで」
「大きいのね」
「真田家のお屋敷もあります」
 この家のというのだ。
「十勇士のご主君の」
「あの人のお屋敷もあるのね」
「真田家は忍術にです」
 それに加えてというのだ。
「槍術や兵法でもです」
「凄いのね」
「幸村公から」
 大坂の陣で活躍した彼からというのだ。
「そうしたものがお家芸でして」
「それでなの」
「維新の時にまず真田家が八条家に迎え入れられまして」
 そしてというのだ。
「真田家に代々お仕えしていた十勇士のお家もです」
「迎え入れられて」
「一緒に。そしてです」
「神戸に移ってなの」
「それ以来こちらで暮らしています」
「そうなのね」
「昔からのお家なので」
 それでとともだ、白華は話した。
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