八十 第二ラウンド
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はならない」
故に。
「この俺が、天罰を下す」
秩序を正す神、として。
火影邸の屋上。
「なにをする気だ…!?」と叫ぶ綱手の停止の声を振り払い、床を強く蹴る。
引力と斥力を利用して空高く飛んだペイン天道は、真下に広がる木ノ葉の里を一望した。
(…人間道と畜生道はまだ三尾と四尾の人柱力に手こずっているようだな…)
視覚をリンクしているが故に、遠く離れた戦況を悟って、思考を巡らせる。
今から行う術は広範囲の攻撃だ。故に他のペインとてただではすまない。
一度里から避難させる必要がある。
その為には。
「…隙を見て畜生道に口寄せを…ッ、」
刹那、天道は弾かれたように顔を上げた。
咄嗟に【神羅天征】の術を発動させる。
視界の端で忽ち弾かれた何かが文字通り、弾けた。
シャボン玉。
だが、ただのシャボン玉でないことは明白だった。
何故なら──。
「させねェッスよ!」
「我らを舐めてもらっては困る」
他のペインを回収し、里外に一度避難させることを提案した瞬間、邪魔しに割り込んできたふたつの影。
「空を飛べるのがアンタだけの特権だとは思わないことっスね」
「俺はどちらかと言うとシャボン玉で浮かんでいるだけだがな」
シャボン玉の中に入って浮遊してきた六尾の人柱力─ウタカタ。
背中に生やした六枚の虫の翅を羽ばたかせる七尾の人柱力─フウ。
ふたりの人柱力を前に、ペイン天道は「謝罪しよう」と淡々と謝った。
しかしそれはもちろん、彼らに対する謝罪などではない。
「世界に痛みを与える前に、先にお前達に痛みを与えるべきだったな…」
「そんな気遣い、ノーサンキューっすよっ」
顔を顰めて、べーっと舌を出すフウの横で、ウタカタが無表情でくるりと煙管を回す。
そこから噴出される数多のシャボン玉がペイン天道を取り囲んだ。
「アンタ、神様なんだろ?だったら、こんな包囲網なんて容易に突破できるだろう」
挑発するウタカタに続いて、七尾の翅を羽ばたかせながらフウがビシッと指を指す。
「空が飛べると言っても、ウチの翅から簡単に逃げられると思わないことッスね!」
正確に言えば、ペイン天道も引力と斥力で浮かんでいるのであって実際に飛翔しているのは七尾のフウだけなのだが。
どちらにしても幕は上がった。
六尾と七尾の人柱力であるウタカタ・フウとペイン天道。
木ノ葉の里の真上で双方が激突する。
空中戦の第二ラウンドが始まった。
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