八十 第二ラウンド
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「──ナルは強いぞ」
「波風ナルはこの里にいるのか、いないのか。どちらだ?」
(も、もうダメだコレ…)
負傷したエビス先生を庇いながら、木ノ葉丸は絶望の淵に立たされていた。
突如木ノ葉の里を襲った侵入者のひとり。
木ノ葉丸が尊敬する波風ナルを狙っていると聞けば逃げ出すことは出来ない。
けれど、質問をするだけでバッタバッタと倒れてゆく忍び達を見れば、その決意も折れてしまう。
だが助けに来てくれたエビス先生を置き去りに出来ない。
八方塞がりになっていた木ノ葉丸を救ったのは、見知らぬ端正な顔立ちの青年。
けれどその青年も今や、ペインに捕まってしまった。
(ヤバイヤバイヤバイ…ヤバいってばよ、コレ!)
思わずナルと同じ口癖を心中で呟きながら、それでも身体が震えて動けない木ノ葉丸。
ただ、水色の着物の青年がペインに首を絞められているのを見ていることしか出来ない状況に歯噛みする。
何も出来ない自分が腹立たしくて、震える足を叱咤して水色の着物の青年をなんとか助けようとした木ノ葉丸は信じられない光景を見た。
「もう一度聞く。判決を下されたくなければ質問に答えろ」
「…そうか」
首を絞められ、口から魂のようなモノが抜き取られそうになっていながらも、水色の着物を着流す青年は余裕そうに嗤ってみせた。
「なら俺も判決を下してやろう」
途端、相手を追い詰めていたはずのペイン地獄道の視界がぼやけ始めた。
否、何かが地獄道の顔を覆っている。
膜のようなモノだ。
それが原因で視野がぼやけて見えたのだが、その正体が何なのか、地獄道はようやく理解した。
(これは…シャボン玉か…!?)
口から魂を抜こうとした地獄道は、ウタカタの口から白いモノが抜け出るのを目撃した。
だがそれは魂ではなく、青年の能力で生み出されたシャボン玉だったのだ。
シャボン玉を地獄道の顔に吹きかけた青年──ウタカタは不思議そうに首を傾げる。
「窒息死させようと思ったが、そうか。お前は元々、死人だったな」
シャボン玉の中を水で満たすことで本来ならば息が出来ない状態に陥る。
だが未だウタカタの首を絞めている力が弱まっていないことから、ペインの正体に思い至る。
「ならば、」とパチン、と指を鳴らしたウタカタは、やがて弱まってきた地獄道の手から逃れると、背後を振り仰ぐ。
自分とエビスを助けてくれたウタカタが首を絞められていた光景を悔しげに見ていた木ノ葉丸は、次の光景に眼を疑った。
シャボン玉の中で地獄道の顔が徐々に焼け爛れてゆく。
シャボン玉を取ろうと躍起に己の
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