八十 第二ラウンド
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「……行ったッスか?」
「の、ようだねぇ」
ペイン天道が立ち去った後、気を失っていたふりをしていたふたりは倒れ伏せたまま、口を開いた。
周囲の気配を探った後、慎重に立ち上がる。
瓦礫がガラガラと崩れたが、最小限の音のみを立てて、緑髪の少女と金髪の女性は改めて周りを見渡す。
誰もいないことを確認して、最後にペイン天道がトドメをさした相手へ眼を向けた。
ペイン天道に鋭利な釘を投擲され、額に直撃したはずのはたけカカシ。
膝をついてカカシの容態を確認した二尾の人柱力であるユギトは、安堵の息をついて、緑髪の少女を仰いだ。
「重傷だが致命傷には至っていない。流石だな、フウ」
「遠近感をほんの僅かにズラしただけっスけどね〜」
ペイン天道が【神羅天征】を使った隙を狙って、地中からカカシが仕掛け、影分身で左右から鎖で身体を縛る。
カカシに気を取られていたペイン天道は、上空からのフウの攻撃を防ぎはしたが、その翅から降り注ぐ鱗粉は防ぎようがなかった。
【秘伝・鱗粉隠れの術】──口から鱗粉を吐き出すことで光を反射させ、相手の視界を奪う術なのだが、その簡易版である。
ペイン六道は六人全員、視野が繋がって共有している。
リンクしているが故に、どこから攻撃しても他の眼がある限り、回避されてしまう。
だが七尾の鱗粉ならば、一時的なものだが、その視力の遠近感を僅かにズラすことが可能だ。
そのため、鱗粉を浴びたばかりのペイン天道の眼は距離感を正確に掴めなかった。
故に、はたけカカシを標的に投擲した鋭利な釘も致命傷には至らなかったのだ。
「最低限の医療忍術ならば使える。フウ、おまえは──」
「わかってるッスよ!」
カカシを診るユギトに力強く頷いたフウは、地面を蹴る。
空中で背中から翅を生やし、素早く天高く飛んでいった。
「お久しぶりです綱手様…」
「お前は…」
「少しアンタと話がしたい」
黒地に赤き雲。
『暁』の証である衣を翻し、突如、五代目火影の前へ現れた男に、暗部達は警戒心を高めた。
すぐさま綱手を庇おうと動いた暗部のひとりは、知り合いのような口振りである火影に目敏く気づくと、訝しげに訊ねる。
「奴を知っているのですか?」
「少しな…」
「何者です?」
雨隠れの里で、一時期、自来也が保護していた孤児。
その内のひとりの面影がある相手を油断なく見据える綱手が無言で応えたのに対し、ペインは淡々と答えを返した。
「秩序を正す神だ」
何者か、という問いに対するその堂々たる返答に、「どうやら普通ではなさそうだ」と暗部は警戒心を益々高める。
「波風ナル…九尾
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