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八条学園騒動記
第七百三十六話 広い部屋その五

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「かなりだ」
「広いですね」
「そうなっている」
「そういうことですね」
「二人は優に入れる位の浴槽だ」
「そうなっていますね」
「そうしたホテルならだ」
 大尉は微妙な顔になって話した。
「連合では繁華街の裏通りによくあるな」
「はい、少し行けば」 
 上等兵も頷いて答えた。
「何処にでもです」
「あるな、高速道路でもな」
「時々ありますね」
「カップルが入る場所だ」
「そしてそうしたホテルのバスルームも」
「私は入ったことがないが」
 それでもというのだ。
「聞く限りではな」
「広くですね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「やはり二人でだ」
「カップルで浴槽に入りますね」
「夫婦の場合もあるな」
「そこまで広いですね」
「連合ではな、体格が大きいならな」 
 市民のそれがというのだ。
「それに合わせてだ」
「家も造られる」
「そうなるのだ」
「これは文化でしょうか」
「いや、違う」
 大尉はそうではないと答えた。
「体格のことだけだ」
「それだけですか」
「建築様式でもないからな」
「文化にはならないですか」
「この場合はな」
「そうですか」
「そして日本でもな」
 この国でもというのだ、この時代の日本でも平均身長は成人男性で一九〇成人女性で一八〇となっている。
「大きいからな」
「本当にかつては小柄だったのか」
「疑わしい位だな」
「そうですね」
 上等兵は真顔で答えた。
「見ていますと」
「そうだな、栄養がいいからな」
「まさに何でも大量に食べて」
「その為にだ」
「大柄なのですね」
「日本人もな、十九世紀後半は成人男子で一五五程だったのが」
 それがというのだ。
「今では一九〇だ」
「随分変わりましたね」
「それだけ栄養状況が変わったのだ」
「連合では」
「日本でもな、だから大きくな」
「お家もですね」
「こうしたマンションでもな」
 そこでもというのだ。
「かなりだ」
「広いですね」
「我々から見ればな、連合で狭いという部屋でだ」
 それでというのだ。
「我々にとってはだ」
「丁度いいですね」
「そうなっている」
「そうですか」
「兎角な」
「体格が違うとですね」
「色々違って来る」
 そうだというのだ。
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