第百十五話 運動会の準備その三
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「休んでないわよ」
「そうなのね」
「休憩時間が短いのよ」
イタリアの娘は留奈に言った。
「だからね」
「休んでないのね」
「そう思うわ」
こう言うのだった。
「あんたもこれ終わったらでしょ」
「すぐに部活行くわ」
留奈は答えた。
「そうするわ」
「そうすることからね」
「日本人は休まないのね」
「朝からワインもないでしょ」
「イタリアじゃ普通よね」
「欧州全体でね」
「お水が悪いから」
留奈もこのことは知っていた。
「お酒がお水代わりね」
「それで飲んでるのよ」
「飲み水基本買うのよね」
「そうしてるのよ」
「水道水は飲めないわね」
「日本と違ってね」
そうだというのだ。
「それでお酒をね」
「朝から飲むのね」
「ドイツだって朝ご飯に」
この時にというのだ。
「ビールに生卵入れて飲むし」
「それで栄養補給するのね」
「それでイタリアもね」
自身の祖国もというのだ。
「朝からね」
「ワイン飲むのね」
「そうしてるけれど」
それがというのだ。
「日本ではないわね」
「飲むのは夜ね」
留奈ははっきりとした声で答えた。
「本当に」
「そうよね」
「それが、なのね」
「違うから」
「日本とイタリアだと」
「カルチャーギャップ、もうそれをね」
「感じたのね」
「今も感じる時あるし」
過去だけでなくというのだ。
「日本に来てもう十年以上経つけれど」
「子供の頃に来ても」
「夏休みとかに帰ったら」
「感じるのね」
「ええ、日本人はいつも動いてるわね」
「それで私もなのね」
「ええ、まあ私もこれ終わったらね」
留奈に笑顔で話した。
「部活行くしね」
「あんた水泳部だったわね」
「好きなものは全力でやる」
留奈に明るい笑顔で話した、白い歯がきらりと輝いた。
「それもね」
「イタリア人ね」
「だからよ」
「イタリアはやっていけてるのね」
「ええ、だから委員の仕事が終わったら」
「水泳部でなのね」
「楽しんでくるわね」
こう言ってだった。
イタリアの娘は留奈そして他の委員と共に運動会のその日の仕事を進め終わらせた。そして彼女は水泳部の部活に行ってだった。
留奈は卓球部の部活に出た、そして熱心に部活に励んでいると。
二年生の先輩の一人、ベトナム人で長い黒髪を後ろで束ね切れ長の目と日に焼けた肌を持つ彼女から言われた。
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