第百十五話 運動会の準備その二
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「問題ないでしょ」
「そうね」
留奈もそれはと応えた。
「言われてみれば」
「のんびりしててもね」
即ちシェスタをしてもというのだ。
「それでやっていければね」
「いいのね」
「そうでしょ、イタリアはね」
「そうしたお国柄ってことね」
「戦争は弱いけれど」
「それ自分で言う?」
「いや、実際弱いから」
留奈に笑って言うのだった。
「イタリア軍ってね。否定出来ないでしょ」
「聞いてはいるわ」
留奈にしてもだ。
「二度の世界大戦どっちもね」
「真っ先に逃げてたのよ」
「戦場からね」
「それで捕虜になったら」
その時はというと。
「敵に泣いて謝って命乞いしてたのよ」
「それで助かってたのよね」
「鬼のチトーパルチザンもね」
ユーゴスラビアでドイツ軍を苦しめた、尚最初に今は多くの国に分裂しているこの国に攻め込んだのはイタリアでドイツは助っ人である。
「ちょっとこづいたら泣き叫んで命乞いしたから」
「酷いことしなかったのね」
「可哀想になってね」
「弱いから」
「それで攻め込んだ国の女の子とね」
「仲よくなるのね」
「そっちの方に熱心だから」
「弱いのね」
「兵器も変なの多かったし」
イタリア軍のそれはというのだ。
「戦争にはね」
「弱いのね」
「そうだけれどね」
それでもというのだ。
「好きなことにはね」
「一生懸命ね」
「それでやっていけてるから」
だからだというのだ。
「それならね」
「いいってことね」
「そうでしょ、というかね」
「というか?」
「日本に来る前に聞いてたわよ」
「日本のことをなのね」
「恐ろしく真面目で勤勉な国だって」
その様にというのだ。
「聞いていて来たらね」
「実際になのね」
「そうした国だったわ、シェスタもね」
イタリア人には欠かせないこれもというのだ。
「出来ないし最初はね」
「困ったのね」
「ええ、けれどね」
それがというのだ。
「今は慣れたわ」
「それは何よりね」
「けれど真面目過ぎてあまりにも勤勉とはね」
そうはというのだ。
「今も思うわ。基本休まないでしょ」
「休憩時間あるでしょ」
留奈はイタリアの娘にそれは違うわという顔で告げた。
「ちゃんと」
「いや、私から見ればね」
「休まないの」
「日本人はね」
「そうなのね」
「お仕事一つ終わったらすぐにでしょ」
「次のお仕事ね」
「そうしてるから」
だからだというのだ。
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