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第百十五話 運動会の準備その一

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               第百十五話  運動会の準備
 衣替えの時も過ぎてだった。
 今留奈は忙しい思いをしていた、それは何故かというと。
「体育委員が今一番忙しい時期ね」
「仕方ないでしょ」
「運動会近いんだし」
「その準備があるから」
 他の一年の娘達が留奈に言ってきた、クラスの体育委員になった彼女は今運動会の準備で何かと動いているのだ。
「体育委員って他にもあるけれどね」
「色々とね」
「けれど一番忙しいのはね」
「運動会の時だから」
「やるしかないわよ」
「そうよね、けれど早く終わらせて」
 留奈は自分と同じそれぞれのクラスの体育委員達に応えつつこうも言った。
「部活行きたいわ」
「あんた卓球部だったわね」
「何か今度練習試合するっていうから」
「その選手になるの」
「そうなの、皆試合に出させてもらえるから」
 それでというのだ。
「今は部活行きたいのよ」
「それはわかるわ、じゃあね」
 イタリア人の黒髪をポニーテールにした娘が言ってきた。
「今はしっかり働いて早くね」
「終わらせることね」
「早くやって早く終わらせて」
 そうしてというのだ。
「早くね」
「部活に行けばいいわね」
「そうよ、それが日本でのやり方よね」
「ええ、お仕事は確実にでね」
 留奈もそれでと答えた。
「手抜きしないで」
「それで終わらせて」
「次やることをするのよ」
「そうよね」
「学校でもそうだし」
「さぼらないでね」
「そうするものだから」
 それでというのだ。
「私達もっていうのね」
「私なんかあれよ」
 イタリアの娘は留奈に真面目な顔で言った。
「日本に来てからシェスタしないでね」
「頑張ってるのね」
「平日はね、シェスタはね」
「イタリアじゃ習慣よね」
「スペインでもね」
「気持ちよくお昼寝して」
「そのうえでね」
 そうしてというのだ。
「また何かするのよ」
「ゆっくり寝てから」
「ええ、ただ頑張ることはね」
「しないの」
「マイペースね」 
 こう留奈に言うのだった。
「そうしたお国柄だからね」
「イタリアは」
「自分が楽しいことには熱心で」
 それでというのだ。
「お仕事とかお勉強とか」
「義務ですることは」
「マイペースでね」
「やっていくのね」
「そうしてるから」
 だからだというのだ。
「シェスタの後も」
「あまり頑張らないのね」
「好きなこと以外はね」
「それはあんたのことじゃないのね」
「周りも結構ね」
「そんな風なのね」
「ええ、けれどそれでやっていけてるから」 
 だからだというのだ。
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