第三章
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「黒の競泳水着です」
「そういえば水着透けてますね」
「似合います?」
「それはそれでそそりますね」
「そそるってやっぱり凛子さん」
「冗談ですよ、それでここにですね」
また冗談と言ってシンドゥラに話した。
「海の女王がですね」
「出て来まして」
それでというのだ。
「セノパティ様とです」
「そうですか、ここに出て来るか」
「今の女王様が」
「楽しみですね」
「そうですね、出て来たらお話したいですね」
「そうですよね」
二人で夜の海とそこから出ている月を見つつ話した、それは実に幻想的な光景であった。二人はその景色を楽しみつつ海の女王が出れば嬉しいと考えていた。
そんな二人に海から声がした、それは若い女の声だった。
「若し」
「まさか」
「この声は」
二人は海の女王が来たと思って声がした方を見た、それはまさに海の方だったが。
そこには青いこの辺りの女性の民族衣装を着た白い肌と群青色の膝まである長い髪の毛を持つマリンブルーの瞳の細面の美女だった、凛子もシンドゥラもその美女を見て確信した。
「海の女王ですね」
「本当にいたんですね」
「いや、お会い出来て光栄です」
「全く以て」
「7いえ、私は女王様の従者です」
美女は喜ぶ二人にあっさりとした声で答えた。
「ただの」
「えっ、そうなんですか」
「従者さんですか」
「代々の女王様にお会い出来るのはスルタンだけじゃないですか」
二人にこのことを話した。
「ですから」
「私達はお会い出来ないですか」
「そうですか」
「随分お会いしたい様なので出て来てお伝えしました」
そうしたというのだ。
「そうした次第です、覚えておいて下さい」
「わかりました」
二人は同時に頷いて答えた、声が一つになった。
「そういうことですね」
「覚えておきます」
「そうした次第で、それでは」
ここまで言うとだった。
従者は海の中に戻った、後には海と月それに砂浜だけが残った。
元に戻った周りを見回してだ、凛子はシンドゥラに話した。
「私達は会えないってことで」
「仕方ないですね、スルタンでないですから」
「そうね、じゃあそういうことで」
「納得しましょう」
「納得するしかないし。それでホテルに戻ったら」
凛子はそれからのことを話した。
「飲む?」
「私ムスリムですが」
「まあそこは内緒で」
「アッラーに謝罪しないといけないですね」
「そのうえで飲むのね」
「そうします、じゃあ今から」
「ホテルに戻ってね」
シンドゥラに微笑んで話した。
「飲みましょう」
「そうしましょう、二人で」
微笑んで言葉を交えさせた、そうして共にホテルに戻ってそこのバーで楽しく飲んだ。飲みながら海の女王の従者に海と月そ
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