第五章
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「中々ね」
「そうだね、けれど少しずつでもね」
「なおっていってるから」
「いいよ、このままなおしていこう」
「そうしていくよ」
佐竹もそれはと応えた。
「僕もね」
「あの、まさかです」
鬼頭は二人の話を聞いてから佐竹に言った。
「佐竹さんみたいないい人が嫌いだとあそこまで嫌うのかがです」
「そのことがなんだ」
「僕はわからなかったんですが」
「こうした事情があったんだ」
「そうだったんですね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「何とかね」
「なおしていってるんですね」
「そうなんだ」
これはというのだ。
「自分でも意識してね」
「そうなんですね」
「こうしたことはあるね」
山田が言ってきた。
「誰でも大なり小なりね」
「トラウマは」
「そのトラウマをどう克服するか」
「それが問題ですね」
「当然僕にもあるし」
山田自身にもというのだ。
「それでね」
「僕にもですね」
「言われると心当たりがあるね」
「はい」
鬼頭は子供の頃田舎で蜂に刺されたことを思い出した、とても痛くそれ以来蜂が怖くて仕方がないのだ。
「それは」
「トラウマと向かい合い克服していく」
「それが大事ですね」
「人間はね」
「じゃあその人それぞれで」
「やっていこうね、僕も実はそうだし」
「山田さんもですか」
「僕は失恋が怖いよ、大学時代こっぴどく振られたから」
鬼頭にこのことを話した。
「恋愛が怖いよ」
「だからですか」
「今も一人だよ、けれどね」
「そのトラウマもですね」
「素敵な女性と会ってお話をする様にして」
そうした機会を持ってというのだ。
「なおしていってるよ」
「そうですか」
「皆同じだね、僕も山田君の話をよく聞かせてもらってるし」
「お陰で助かってるよ」
「うん、じゃあお互いに助け合いもして」
「トラウマを克服していこう」
「そうしましょう」
鬼頭もまた頷いた、そしてだった。
三人で共にそれぞれのトラウマを克服していこうと誓い合った、実際に三人はお互いに助け合ってトラウマを克服していった。そのうえで真の友情も育てていき三人の絆は末長く続くことになった。
罵倒 完
2023・8・16
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