第七十九話 残さないことその三
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「一度もよ」
「それが不思議なんですよ」
「不思議じゃないわよ」
「だって僕が大嫌いなあの小さい先輩も告白されたんですよ」
「佐野先輩?相変わらず色々言ってるみたいね」
「もう進んで」
「その進んででやることじゃないでしょ」
りっぷくして言いました。
「それは」
「そうですか?」
「本当だとしても間違ってしまったことを延々とほじくり返して回りにやってないことまで言い回るとかね」
「よくないですね」
「わかってるなら止めなさい」
新一君に強い声で言いました。
「何度も言ってるけれど」
「何かこう言わずにいられなくて」
「先輩傷付いてるから」
散々言い回られてです、それもやっておられないことまで。
「人を傷付けるなんて最悪よ」
「許せない相手でもしたらいけないことがある、ですね」
「そうよ」
まさにその通りです。
「わかってるじゃない」
「まあわかっていましても」
「やるのね」
「嫌いな相手には」
「怨み買うわよ、というか今嫌いでも先はわからないでしょ」
「そうなんですけれどね」
「好き嫌いが激し過ぎて」
新一君という子はです。
「嫌いだと徹底して嫌って行動に移すのは止めないとね」
「いつも言われますね」
「いつも見えるからよ」
新一君のその悪い一面がです。
「というか出すから」
「隠すつもりないですしね」
「嫌いだってことをよね」
「人を褒める時は大声で」
新一君は笑顔で言いました。
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