敢闘編
第七十八話 予期せぬ遭遇戦
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ュタイン星系内です。帝国艦隊のセンサーから逃れる為に恒星ヴィーレンシュタインに向かっています」
“了解した。それで今後の方針なのだが…済まないが、囮になってくれるか”
「囮、ですか」
“そうだ。貴官の言う通り本当に一個艦隊のみだとすれば尚更、敵の兵力を減らす機会は失いたくはない。準備が整い次第こちらから四個艦隊を出撃させる。彼等が君達に合流するまで時間を稼いでくれ”
「了解致しました。ですが万が一があります。一個艦隊はお手許に置いた方が宜しいかと」
“そうだな…了解した、健闘を祈る。では”
通信が終わると、近くで様子を伺っていたアッテンボローがベレーを脱いで天を仰いだ。
「何もせずにやり過ごす、って事は考えてくれないんですかね、お偉方は」
「撃破されたゴルゴダの事を考えてみろ。このまま放っておけば他の偵察グループもやられてしまうぞ。閣下、隠密偵察を中止して避退行動を取る様に平文で発信してみてはどうでしょう。それだけで囮の役目を果たせると思うのですが」
「そうだね、いい考えだ。じゃあ参謀長、よろしく頼む」
「了解しました」
ウィンチェスターと私の話を聞いていたアッテンボローが通信オペレータのもとへ走って行く…囮か。偵察グループに平文で通信すれば、必ず帝国艦隊はその発信源を割り出して…この艦隊の位置を察知するだろう。進出してきた帝国艦隊が一個艦隊だけならウィンチェスターとてまだやりようはあるだろうが、もしそうではない時は…。
4月14日03:15
ヴィーレンシュタイン星系、恒星ヴィーレンシュタイン、自由惑星同盟軍、
第十三艦隊旗艦グラディウス
ヤマト・ウィンチェスター
参ったな、まさか帝国艦隊が現れるなんて…ヴィーレンシュタインの影に隠れはしたものの、どうしたものか…。ヤンさんなら二倍の敵くらい何ともないんだろうけどなあ…。
「これからどうなさるおつもりですか、閣下。カイタルの司令部は囮になれと言っているのでしょう?」
真っ正直から聞くなワイドボーン…ムライさんか?お前は。
「囮か。命じられた以上はやらなきゃいけないんだが…ちょっと考えてみるとしよう」
4月15日06:30
ヴィーレンシュタイン星系外苑部(シャンタウ方向)、銀河帝国、銀河帝国軍、
マッケンゼン艦隊旗艦マルクグラーフ
ヨッヘン・フォン・マッケンゼン
「傍受した通信の発信源の方向に、センサーが熱源を探知しました。熱量から察するに、発見した敵はそれほど多くはないと思われます。撃破するべきではないでしょうか」
「まあ落ち着け、シュターデン参謀長。何故奴等はわざわざ平文で偵察艦に退避を呼び掛けたのだ?おそらく偵察艦を安全に退避させ、こちらの注意を惹き付ける為にわざと平文で発信したのだろう。小
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